速読シリーズの熟語版を紹介します。
「熟語」「イディオム」と聞くと、どうしても陰鬱の気分になりがちな学生が多いですが、それもそのはず、、普通の英語の授業しか受けたことない人は、「熟語は暗記」という考えだからです。
でも「そんなことはない」というのは、何回か言ってきました。
(熟語学習についてをご参照ください)
今回紹介する『速読英熟語』は、もちろん熟語をたくさん覚えるという目的で使うのでしょうが、
『速読』シリーズを使う目的は、それだけで収まってはいけません。
たくさんの長文にふれていく中で、英語回路を体にたたきつけながら、単語・熟語を覚えていくのです。
熟語集の基本的な学習の仕方は、単語帳と変わりません。
ただし、熟語学習で取り入れるべきなのは「イメージ」です。
それでは、本論に入っていきます。
『速読英熟語』 高校英語の万能な英熟語集
万能というと、簡単なものから難しいものまで含める感じがしますが、難易度が高い熟語はありません。
それもそのはず!
高校英語自体、中学英語と同じく英語の基本に過ぎないのですから、、
もちろんこれから高校英語を勉強する方にとっては、そうは思えないかもしれませんが、「単語・熟語学習」全体から見渡せば、どれも基本的です。
英検ですと、2級までカバーできます。
使うタイミング
インプット学習では 中学英語ができるようになってから
長文が「文法的には中学レベル」なので、単語・熟語の意味さえ調べれば、中学英語クリアした方なら読めます。
「I wish I were ~」のような「仮定法」も出てきますので、仮定法は勉強してください。
長文が読めないと、スムーズに熟語を学習できません。
長文を使わないとなると、ただ熟語をみて暗記するだけになってしまいます。
暗記して覚えること自体で、マイナスになることはありませんが、非効率。
文章を使ったほうが使い方を学べるし、文脈の中のほうが記憶に残りやすいです。
アウトプット学習では 英検2級相当の英語力ができてから
『中学版』『入門編』でもそうですが、私の考えでは「基本的に本格的なアウトプット訓練は、英検2級に合格してから」です。
それまで、スピーキング訓練はやる必要ありませんが、どうしてもオンライン英会話とかやりたいのであればその気持ちは止められないですね(ただ英語力が足りなくて、何も話せないとなると、費用対効果が悪いです)。
総文法の基本事項を理解してからでないと、文法的にミスが多いスピーキングになってしまします。
私が大学のころお世話になった英語の言語学者によれば、「文法を正しく理解できる人のほうが、スピーキング向上速度が速い」とのことです。
『英熟語』は大学入試対策のための教材ですが、長文内容が比較的易しめなので、アウトプット訓練開始早々から利用しても問題ありません。
『英熟語』の特徴
掲載熟語数 全部で1079個 日常会話で使えそうなものが多い
熟語数 855 構文数 224 合計 1079
本書では、主要大学(+センター試験)の過去7年間にわたる入試問題の中から、2度以上出題された熟語・構文・語法をすべて掲載しています。
『速読英熟語』 P7 より引用
大学入試のデーターから、掲載熟語が選定されています。
「大学入試問題をベースにしてるから、日常会話的ではないのでは?」と考える人がいますが、全然そんなことありません。
熟語を構成する単語を見ますと、ほとんどが中学英語で登場する単語ですから、決してアカデミックな意味の熟語ではありません。
(というかアカデミックの英文では、読者の意味の勘違いを避けるために、状況によって意味が異なる性質をもつ「熟語」はあまり使われません。)
ということで実践にも使える熟語が多いので、インプット学習だけでなく、スピーキングのトレーニングにもかなり使えます。
長文は50題 1題「200語」くらい
本書によれば、長文の選定基準は以下の通りです。
難しい英文は避け、比較的易しい英語で書かれながらも入試問題で頻出している(あるいは今後頻出しそうな)テーマを選んで編集しました。
『速読英熟語』 P7 より引用
長文レベルは、『入門編』よりはレベルが少し高いですが、『必修編』よりは明らかに易しいものです。
英検準2級の英語力があれば、単語・熟語の意味さえわかれば読解できるのではないでしょうか。
内容は、比較的アカデミックなものは少なく、ジャーナリスティックといえるものが多い印象です。
ですのでガチガチした内容ではないので、気軽に読めます。
『必修編』『上級編』は、大学試験で出題された英文を掲載していますが、『英熟語』には大学の出典元が明記されていないので、おそらく大学入試問題に使われたものとかではありません。
また、『必修編』よりは日常生活的な内容なので、『入門編』と同じくらいのタイミングで、アウトプット学習に使えます。
長文の語彙数はだいたい「200words」くらいで、1分30秒で読めようにしたいところです。
その他
①全ての掲載熟語・構文が、長文題材に組み込まれているわけではない。
長文は全部で50題で、熟語は1~603が、構文は1~182が、長文50題に含まれています。
熟語604~855、構文183~224は、意味と例文のみです。長文はありません。
②本書に掲載された熟語・構文の「索引」がついている。
「索引」を見ながら、忘れてしまった熟語をピックアップすることができます。
効率よく覚えていない熟語を探すことができるのが、「索引」のいいところです。
『英熟語』の使い方
インプット学習としては 熟語の意味を「イメージ」してみる
私が説明した『速読英単語』のやり方でいきましょう。
「黙聴」「黙読」~「シャドーイング」「音読」までの過程で、熟語を完全に覚えてください。
それと熟語学習では、熟語の定着を強化するために「イメージ」を取りいれてください。
「take after」→「take(取る)」+「after(~の後)」→「~の後を取る」→「~に似る」
こんな感じで、まずはイメージを使ってみましょう。
アウトプット学習としては ひたすら口で即英作する
もし未知の熟語がそこそこある場合(2、3割)は、熟語を覚えるために上記のインプット学習のやり方で、まずは知らない熟語をなくしてください。
知らない熟語が1割くらいであれば、本書全部一気に未知の熟語をノートに書きだして、イメージを使ってサッと覚えてしまいましょう。
あとは長文の文法・内容を理解して、ひたすら「瞬間英作」するのみです。
他の「速読シリーズ」と、アプローチの仕方は変わりません。
まとめ
インプット学習について
基本的に『速読英熟語』は、中学英語が固まっていれば長文はだいたい読めます。
プラスで「仮定法」の原理は学習しといてください。
そして熟語学習で大事なことは、「イメージ」を使うことでしたね。
熟語を単語に分解して意味を想像してみてください。
長文の題材が、アカデミックというよりはジャーナリスティックなので、気楽に読むことができるしネタの内容がみなさんにとっても興味深いと思います。
アウトプット学習について
英検2級に受かってから(英語の基礎が固まってから)にしてください。
『英熟語』の長文はレベルは決して高くないので、スピーキング訓練の初期の段階から使えます。
基礎が固まっていないと、言いたい内容がスムーズに伝わりません。相手の表情に「?」がつきます。
「英検2級まで待てないよ」という方は、2級というのがハードルが高いと感じているのでしょうが、ちゃんと勉強すればそんなことはありません。
ゼロから英語を勉強しても一定期間集中して勉強すれば、英検2級「半年~1年」で受かります!
そんなに時間はかからないので、サッと英検2級合格しましょう。
それからスピーキング訓練を、スポーツのようにガツガツやればいいんです。
『英熟語』も含め「速読シリーズ」を使ったアウトプットの訓練の基本は、ひたすら「瞬間英作」することです。
ぜひトライしてください!!
みなさん、最後までこの記事をお読みいただきありがとうございます。
それではまた。
― To the Finest Hour ―
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