句動詞とは、「句」になった「動詞」です。
「句」とは、「2語以上の主語・動詞をもたない(つまり「文」ではない)単語のまとまり」です。
句動詞は、動詞に2語以上の単語がつき、動詞の意味をふくらませるものです。
付く単語とは、前置詞・副詞・名詞です。
そして句動詞になる動詞は、圧倒的に基本動詞で、句動詞はほとんどが「基本動詞+前置詞/副詞」の組み合わせだと思ってください。
句動詞は英語学習者が苦労する厄介なものです。
なぜかというと、基本動詞が句動詞になることで、基本動詞1語の時だけでは言い表せない「いろんな」意味にいくらでもなるからです。
同じ句動詞でも、状況別によって意味が変わります。
だから同じ句動詞でも意味がたくさんあるので、意味を1コ1コ暗記しても太刀打ちできません。
ではどうするのか?
やはり「基本イメージ」からのアプローチです。
「基本動詞」の基本イメージと、「前置詞・副詞」の基本イメージを合わせるのです。
想像しながらアプローチすれば、記憶の定着につながります。
今回の記事では、句動詞の教材を2冊紹介いたします。
1つ目は、句動詞の教材でも人気があるものでして、かわいいイラストを使って基本イメージに重点をおいて分かり易く解説しているので、万人受けする教材。
初心者でもこの教材を使って間違いはないでしょう。
2つ目は、基本動詞や前置詞の基本イメージはすでに学習済みの方に向いたもので、「イメージはもういい!句動詞をゴリゴリたくさん覚えたい!」という方におすすめです。
なぜかというと、この教材はイラストがなく文字の羅列形式です。
しかし句動詞の網羅性はすごいです。
1000コは超えますから。
では詳細に移っていきます。
『イラストでわかる!ネイティブの句動詞』 アスク出版
本書は、句動詞の初心者に最適である句動詞の人気教材です。
わかりやすいイラストで理解しやすい。
本省は、イラスト・フレーズ・例文を使って句動詞を理解するアプローチをとっております。
フレーズとは例えば、「get off」という句動詞を「get off the train(電車を降りる)」のようなフレーズを提示します。
そしてさらに例文で理解を深める、もちろんイラストを合わせながらです。
また本書は3つのパートで構成されております。
① Part 1
「最重要動詞23」で基本動詞の句動詞のパートで、なんとこのパートだけで2/3を占めています。
このパートだけで350コのフレーズが収まっております。
パート1内は動詞ごとに分かれており、各動詞の冒頭で動詞の基本イメージがのっており、その後に実際の句動詞の意味が解説されてます。
②Part 2
「重要句動詞 A to Z」というタイトルで、パート1以外の頻出度が高い動詞を使った句動詞を扱っております。
このパートには150コのフレーズ、パート1ほどの詳しさはなく、フレーズと例文のみです。
③Part 3
パート1、パート2で出てきた句動詞を、前置詞/副詞別に分けてまとめたパートです。
だからフレーズは(350+150)個あります。
パート1, 2の復習感覚として読むといいです。
とにかくイラストが多いので、休憩中とかに楽しく読める教材なのでおすすめです。
『”英語のしくみ”が見える [ 基本動詞+前置詞 ] イディオム1000』
「The イディオム集」です。
本書にイラストはありません。ひたすら文字の羅列です。
だからこそ、本の厚さのわりには1000以上というたくさんのイディオムを載せることが可能だと思います。
そして「1180」の例文がのってあります。
本書の最後に索引がついてますので、辞書的に使うことができるのも良いところです。
この参考書は、前置詞・副詞ごとにイディオムが分かれています。動詞ごとではありません。
最初のほうに、「基本動詞・前置詞・副詞の基本イメージ」の解説がありますが、なんせイラストがないので、基本イメージの解説の充実度は期待できません。
しかし、基本動詞・前置詞の基本イメージをひと通り知っている方にはおすすめできます。
この参考書、句動詞をたくさん覚えるチャンスを与えてくれますから。
この参考書のアドバンテージは、句動詞の網羅性の高さです。
句動詞を辞書のように、検索できます。
ところどころに「使い分け」コーナーが設けられております。
例えば、、
「get away」 VS 「go away」。
この2つの意味の違いは?
このような似ている句動詞の比較解説コーナーが、ところどころにあります。
例文自体の音声はあります。ダウンロード形式です。
以上、この参考書をおすすめしたい方は、基本動詞・前置詞の基本イメージをすでに知っていて、句動詞をガンガン覚えたい方です。
終わりに
句動詞は、日常会話でもよく出てきますし、大学受験でも頻出の分野でございます。
おそらく日本の英語教育が、従来の「文法(読解)至上主義」から、英語でコミュニケーションできるための「実践的な英語教育」にシフトしてきているので、動詞は動詞でも、基本動詞を使った「句動詞」を使いこなせることが、今まで以上に求められてくると私は見ております。
だから入試の英語もひと昔前と比べて、形式が変わりましたね。
大学入試でも、句動詞が絡んだ問題が出てきます。
つまり句動詞とは、日常会話でも入試英語でも力が求められる分野だということです。
いろんな分野で必要になってくる英語だということですね。
ですので、中学英語レベルぐらいの英語の基礎が、ある程度できている学習者は、「句動詞」にある程度の期間特化するのもアリ!
そして句動詞をインプットだけでなくアウトプットをできるようになれば、スピーキングのバリエーションも広がります。
ふと思ったのが、句動詞は英語でも重要度が高い分野なのに、句動詞に特化した参考書が思ったより少ないということです。
英語はイメージでアプローチしていく学習法が今日の風潮なので、基本イメージをつかむことが大切な「句動詞」の参考書が、これから増えてくることと思います。
ある程度英語の基礎が身についている人は、一定期間句動詞に特化してやってみましょう。
今回の記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
― To the Finest Hour ―
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