こんにちは、孤独なライターです。
「シャドーイング」について詳しく解説していこうと思います。
そしてその後に、「シャドーイング」で私が取り組んだ教材を紹介いたします。
紹介する教材は、1冊のみ。
シャドーイングを本格的に取り組むには、まずはそのやり方とシャドーイングする目的を知らなければなりません。
他のトレーニングとどう違うのかということ。
それを記事でご覧いただければと存じます。
最初に申しあげると、他のトレーニングに比べて、シャドーイングはとても負荷がかかります。
だからこそ、できるようになると飛躍的な英語力アップが期待できます。
ではいきます
もくじ
シャドーイングとは?
「シャドーイング」とは
つまり音声を「リスニング」してすぐに「スピーキング」するという、「聞く」と「話す」を同時に行う訓練です。
(もともとは同時通訳者が行う訓練だそうです。)
想像してください、、ハードルが高いトレーニングです!
やってみればわかりますが、英語中級者の方でも、中1レベルのまとまった英文のナチュラルスピードの音声を、いきなりシャドーイングするのは、まず無理。
(もちろん何回も同じ英文を繰り返せば、シャドーイングはできるようになりますが、望ましいのは初めての英文をシャドーイングできることです)
ということで高度なトレーニングなので、初心者のかたは最初からシャドーイングを無理してやらないこと。
それよりも、シャドーイングできるための踏み台になる「リピーティング」「オーバーラッピング」「音読」をメインにしましょう。
シャドーイングに使うテキストは、文章レベルが自分のレベルより低いものにしてください。
シャドーイングするべき人
一定の英語力がある人で、「話す」と「聞く」能力(要は英会話)を、徹底的に鍛えたい人
一定の英語力とは、英語初級者以外ということです。
英検2級、TOEIC600点とれる英語力。
そのレベルに達しない方は、シャドーイングは控えて「音読」や「リピーティング・オーバーラッピング」絞るべき。
シャドーイングを本格的にやらなくても、英検2級・TOEIC600はいきます。
シャドーイングで英語力を高めることができるのは、それなりの英語力がある人です。
シャドーイングの効果
リスニング力が高まる
リピーティングとオーバーラッピングと違って、シャドーイングはテキスト見ないでリスニングするので、リスニングの集中度が高まります。
モチベーションアップにつながる
リピーティングやオーバーラッピングはテキスト見てのスピーキングになるので、「達成感」に関しては、シャドーイングのほうが格段に上です。
シャドーイングできた時の達成感が高いので、もっともっとできるようになろうとモチベーションが上がります。
これは間違いありません。
英語でアウトプットできる量が増える
これまで読解重視の英語を学校で学んだ我々は、「知ってる英語」が大なり小なりあります。
それをアウトプットできないがゆえに、「英語が苦手な日本人」と我々自身思ってしまいます。
シャドーイングは、まさに「知ってる英語」をアウトプットできるようになるチャンスです。
シャドーイングのやり方
まずはシャドーイングするテキストの内容を完璧にする
上級者でもない限りは、まずはシャドーイングするテキストの英文を完璧にしましょう。
未知の単語を覚える、文章の意味を理解するなど。
英検準1級やTOEIC800以上のレベルもない方が、いきなり未知の英文をシャドーイングするのはさすがに厳しいです。
内容を完璧にしてからのほうが、シャドーイングが捗ります。
実際にシャドーイングする
音声のように、リズムに乗ることを心がけてください。
ですので間違ったからといって、いちいち止まらないこと!
発音が少し違ったとか細かいことまでは気にせず、とりあえずペース良くポンポンと進むことを意識してください。それを何回も繰り返すのです。
録音して自分の発音を確認
自分のスピーキングを、客観的に聴いてみましょう。
弱点がわかるので、特に意識しなければならない部分が判明します。
では次に、シャドーイングのおすすめ教材を紹介します。
『3カ月で英語耳を作るシャドーイング』 谷口恵子
本書概要
とにかく本書の著者の教材は見やすく、説明がわかりやすく私は気に入っております。
実際にトレーニングするのは、全8章あるうち第2章と第4章。
第2章では、シャドーイングに取り組む際の、著者曰くの『7つのステップ』のやり方の解説が書かれています。
第4章では、7つのステップを使って長文を実際にシャドーイングまでしていきます。
長文は全部で「12題」あり、ビジネスシーンの内容です。
本書はシャドーイングの教材だけに留まらず、英語学習自体に関していろんなことに言及しております。
例えば、TOEICのレベル別対策なんかも。
「600点未満の人」「600~800点の人」「800~900点の人」「900点以上の人」
レベル別にTOEICの対策を解説しております。
他には「発音」について、「単語の覚え方」など、シャドーイングのことだけで終わらない内容が盛りだくさんです。
音声はダウンロードで、MP3ファイル形式となっております。
パソコンでダウンロードできるだけでなく、スマートフォンに直接ダウンロードすることもできます。
本書をおすすめする人
中学3年間の英文法を網羅した人で、これからシャドーイングを始めるという方
この教材に使われてる英文は、中学3年間の英文法を知っていることが前提になります。
「完了形」や「関係詞」がフツーに出てきます。
本書をやるか検討している方は、まずは中学英文法をひと通りわかっているか確認するべき。
短期間でTOEICリスニングパートを100点以上アップさせようという方
リスニングの特効薬は「シャドーイング」(中級者以上)で、わりと短期間でTOEICリスニングパートは大きく点数を伸ばせるというのが著者の見解です。
「1日30分」シャドーイングを「3カ月」続ければ、リスニングパートを100点アップできるとおっしゃってます。
「100点から200点」「200点から300点「300点から400点」。
本書はレベル別に、TOEICリスニング問題を100点アップさせる勉強メソッドを述べています。
テキストの進め方
トレーニングを実際にするのは、第2章と第4章です。
第2章:タニケイ式シャドーイング7つのステップを、1つ1つ具体的に説明
STEP1:テキストを見ないでリスニング。
「1回で聞き取るぞ」と集中し、文章全体の内容をつかむよう努めます。
STEP2:ディクテーションする。
文章の内容ではなく、単語・音に焦点をあてます。聞き取れない箇所はその原因を明確にしましょう。
STEP3:『黙読理解』する → 精読
英文の完全理解です。単語・文法・文意を全てわかるようにします。
STEP4:音読する。
『速音読』『中速読』『普通音読』するとのことです。
最初に速く、最後に普通の速さで、合計3回音読する、というのが著者のアドバイス。
STEP5:リピーティングする。
テキストを見ながら、音声の特徴をつかんで、音声をまねます。
STEP6:オーバーラッピングする。
テキストをみながら音声の後を追って発音します。苦手なところを発見し、繰り返してそれを克服です。
STEP7:シャドーイングする。
テキストをみないで音声に意識を集中させ、音声の後を追って発音します。気持ちに余裕を持たせられればよいとのことです。
第4章:タニケイ式シャドーイングの実践
12回分の題材があり、1回分に1週間かければ、3カ月でひと通り終わる計算です。
「学習記録」を書き込むための表が、各回についております。
第2章でやったタニケイ式7つのステップをふんでから、第4章でシャドーイングトレーニングをします。
「学習記録」を使って、7つのステップ通りにやったか自己管理しましょう。
その他の章:勉強の仕方・TOEICの対策、など著者からのアドバイス
第5章ではTOEICの得点の上げ方について、第7章では単語の効果的な覚え方について解説しております。
その他の章でも、英語学習についていろいろ紹介してます。
著者の英語学習観
「文法」は英語学習の土台
英文法はどんな英語学習をする上でも、土台となります。
ある程度文法を知らなければ、どんなトレーニングをしても意味がありません。
まだ文法が全然未熟だというかたは、最低でも中学3年間の英文法は体に叩き込んでください。
「トレーニング」で文法を自分のものに
文法は覚えてしまったらそれで終わりではありません。
覚えた文法を実践で使えるようにするためには、一人でできるトレーニングをして、体に染み込ませなければなりません。
毎日一人でできるトレーニング、「ディクテーション」「シャドーイング」「音読」などをやりましょう。
コミュニケーションでトレーニングした英語を使ってみる
誰かと英語を話す機会があったら、トレーニングで身につけた英語を使ってみましょう。
自分の弱点が分かり、以後の学習に生かしましょう。
話せない自分が悔しくて、モチベーションが上がります。
逆にトレーニングしたことが外国人に伝わったときは嬉しくなり、これもまたモチベーションアップ!
著者によれば、映画でも『生きた英語』を学べるとのことです。
単語に関して
「単語」は、初心者でも上級者でもどの段階であっても、学び続けなければなりません。
英語を使って働く方は特にそうで、自分が関わっている分野に応じることができるように、語彙を増やさなければなりませんね。
まとめ
今回は1冊しか教材を紹介しませんでしたが、私が「シャドーイング専門」の教材をやったのは、今回紹介したもののみ。
シャドーイング専門の教材は1冊で十分。
大事なのは、「シャドーイング」というのがどういうトレーニングなのか、そのやり方を知ること。
やり方を覚えて、別な教材の英文に取り組むときにそれを生かせればいいのです。
個人的には、1つの長文題材で取り組むことは、「ディクテーション」「英文理解」「シャドーイング」「音読」です。
その中でも「シャドーイング」はラストステージで、シャドーイングできるようになるまでは、「リピーティング」「オーバーラッピング」を取り入れます。
ですので、最初からシャドーイングできるようであれば、リピーティングとオーバーラッピングは省いても問題なし。
初めてシャドーイングして、最初からシャドーイングできる英文の量が増えれば、英語力が身についてきているという証です。
ぜひシャドーイングできるようになって、総合的に英語力を向上させましょう。
― To the Finest Hour ―
「テキストを見ずに、英語音声をすぐ後から追って、音声をそのまま発音する」トレーニング。