こんにちは、孤独なライターです。
今回は、英語の「句動詞」についての記事を書いていきます。
句動詞は、いわゆる熟語・イディオムのことで、英単語の数とまではいきませんが、ものすごくたくさんあるので、熟語集の参考書がたくさんあります。
日常会話レベルを目指す方にとっても、1冊くらい日常会話必須の熟語集をマスターしてもいいのではないかと思います。
「動詞を修飾する語」が「動詞」と結びつき、「動詞本来の意味をふくらませてまた違う意味へと変わる現象」をみていきます。
「動詞を修飾する語」とは、「副詞」や「前置詞句(=副詞句)」のことです。
①「句動詞とは何か」について。
動詞に複数語くっつき、1つの意味を形成します。
②句動詞の学習の仕方について。
まずは句動詞を形成する単語の本質的意味を知ることです。
③句動詞のパターン別に、例を挙げて句動詞をみていく。
ほんの一例だけですが、句動詞の世界をみてください。
④句動詞のおすすめ教材の紹介。
「コーパス言語学」で有名な、投野由紀夫先生の教材を紹介します。
では、本題に入ります。
もくじ
句動詞とはなにか?
句動詞とは「2語以上の単語とセット」になった動詞
句動詞になる動詞は、「基本動詞」。
句動詞は「句」「動詞」であって、「句になった」「動詞」です。
「句」とは、「2語以上の主語・動詞をもたない(つまり「文」ではない)単語のまとまり」。
では全ての動詞が句動詞になることができるのかというと、全てではありません。
句動詞になるのは基本動詞です。
基本動詞は日常生活でよく使われる動詞。
例えば
「get」「take」「put」など。
動詞が「何と」くっついて句動詞になるかというと、「前置詞」「副詞」をメインにあとは「名詞」です。
句動詞に使われる前置詞・副詞は、「基本前置詞」「基本副詞」です。
例えば
前置詞でいえば、「with」「without」など。
副詞でいえば、「up」「down」など。
そして最も句動詞に使われるのが「もともと前置詞だが副詞にもなる前置詞」です。
例えば
「on」「by」「in」など。
句動詞は、動詞の元の意味をさらに膨らませる
句動詞は、動詞の中心的意味をもとにいろいろな意味になる。
動詞の中心的意味とは、動詞の本質的意味です。
本質的意味に、前置詞・副詞・名詞がつくことで、いろんな意味が派生します。
下はごく一部ですが、具体例です。
・「keep(保つ)」だと
・keep up with A(Aと一緒にアップした状態を保つ)→ Aに遅れないでついていく
・keep an eye on A(目がAに接触した状態をキープずる)→ Aに目を離さないでおく
・keep away from A(Aから離れた状態をキープする)→ Aから離れる
・「put(置く)」だと
・put A aside(Aを脇に置く)→ Aを取っておく
・put oneself into A’s shoes(Aの靴に置く)→ Aの立場になって考える
・put A across(Aを向こう側に置く)→ A(考えなど)を伝える
・「take(取る)」だと
・take away O(Oを遠くに取る)→ Oを持ち去る
・take after Ò(Oの後を取る)→ Oに似る
・take off(離れた状態を取る)→ 離陸する
・「make(作る)」だと
・make out(外に作り出す)→ うまくやる
・make up for O(Oのためにアップした状態をつくる)→ Òの埋め合わせをする
・make for O(Oのためにつくる)→ Oに向かっていく
句動詞の数といったら無限にあるので、1コ1コの意味を暗記なんてしてられません。
そうすることで、句動詞の大体の意味が記憶に残りやすくなります。
句動詞の学習の仕方
まずは基本動詞・基本前置詞・基本副詞の本質的意味を覚える
文字だけでなくイラストで本質的意味を覚える。
簡単にいうと、単語の一番基本となる意味を覚えるということです。
そういう意味では、単語帳を使った単語学習と変わりません。
しかし句動詞を形成する単語は、中学の最初で習うものが多いので苦労しません。
しかも「基本動詞」の本質的意味は、だいたい中学の授業で習う意味と同じです。
ですが「up」といった「基本副詞」、「with」といった「基本前置詞」は中学初期で出てきますが、それらの本質的意味は深く習いません。
言葉だけでは説明しにくいからです。
そこでイラストを活用します。
例えば
「over」の本質的意味は?
「離れて真上に・覆うように・超えて」
このように文字だけでなくイラストを使うと、本質的意味を把握しやすくなります。
(なんとなく)こんなニュアンスになるとイメージする
句動詞の単語それぞれの本質的意味を組み合わせて、句動詞全体の意味をイメージする。
まずは下のボックス内をみてください。
句動詞「look into」で解説していきます。
句動詞「look into」の意味とは?
look=(自分から)みる into=~の中へ
+
「~の中をのぞく・~を調べる」
「(自分から)みる」と「~中へ」 → 「~を調査する」
このように単語と単語の本質を融合して、イメージで句動詞の意味を考えてください。
また、同じ句動詞でもよりふさわしい意味は状況によって異なります。
・「お題の内容をlook intoする」という状況なら、「~を調べる」という意味。
・「隣の部屋で物音がしたからlook intoする」という状況なら、「~の中をのぞく」という意味。
では、イメージでほとんどの句動詞の意味がわかるのかというと、そうもいきません。
限界があるのは確かです。
大事なことは
イメージを使って句動詞にアプローチすることで、句動詞の意味が記憶しやすくなる。
こういうことです。
文字のみを使っただけでは、ただの暗記作業になってしまって面白みがありません。
句動詞のパターン
動詞(自動詞)+副詞
①「go on (doing)」
「機動状態で」「行く」→「~し続ける」
②「go off」
「離れて」「行く」→「退場する」「爆発する」
③「hold on」
「機動状態」「を保つ」→「待つ」「電話を切らないでおく」
動詞(他動詞)+副詞
①「put off O」
「離れて」「置く」 →「Oを延期する」
②「get off O」
「Oから離れた」「(ある状態を)ゲットする」→「O(電車やバス)を降りる」
③「put on O」
「Oを接触状態に」「置く」→「~を着る」
動詞+前置詞
「動詞」は意味的には「他動詞的」ですが、文法的には「自動詞」です。
①「look into O」
「Oの中に入って」「見る」→「Oを調査する」
②「call for O」
「Oを求めるように向かって」「呼ぶ」→「Oを求める、必要とする」
③「run into O」
「Oの中に」「走りこむ」→「Oに遭遇する」
動詞+副詞+前置詞
動詞の意味は「他動詞的」ですが、文法上は「自動詞」です。
①「go in for O」
「Oを求めて」「中に」「行く」→「Oに参加する、Oを好む」
②「look forward to O」
「Oに向かって」「前を」「見る」→「Oを楽しみにしている」
③「come up with O」
「Oと一緒に」「高まって」「来る」→「Oに追いつく、(考えなど)を思いつく」
動詞+名詞+前置詞
動詞の後に名詞がくるので、他動詞型です。
①「take advantage of O」
「~の」「メリット」「を取る」→「~を利用する」
②「make much/little of O」
「~の」「大部分/小部分」「をつくる」→「~を重視する/軽視する」
③「pay attention to O」
「~に対して」「注意」「を払う」→「~に注意を払う」
句動詞のおすすめ教材
『イラストでわかる!ネイティブの句動詞』 アスク出版
イラスト・フレーズ・例文を使って句動詞を理解するアプローチをとっている。
本書は3つのパートで構成されております。
Part 1:『整理して覚える 最重要動詞23 350フレーズ』
基本動詞の句動詞のパートで、なんとこのパートだけで2/3を占めています。
このパートだけで350コのフレーズ。
Part1は動詞ごとに分かれており、各動詞の冒頭で「動詞の基本イメージ」がのっており、その後に「句動詞の意味」が解説されてます。
Part 2:『会話に頻出 重要句動詞 A to Z 150フレーズ』
パート1以外の頻出度が高い動詞を使った句動詞を扱っております。
このパートには150コのフレーズ。
パート1ほどの詳しさはなく、フレーズと例文のみです。
Part3:『前置詞・副詞別 500フレーズ』
Part1、Part2で出てきた句動詞のフレーズを、前置詞/副詞別に分けてまとめたPartです。
だからフレーズは「350+150」個。
パート1, 2の復習感覚として読むといいです。
まとめ
以上「句動詞」をみてきましたが、いかがでしたか?
句動詞となると、動詞本来の意味から離れた意味へと変わるのがわかったかと思います。
そしてさらに句動詞は、同じ句動詞でもシチュエーションによってまた違った訳になるという厄介なものです。
ですのでアカデミックな論文といった、読者に誤解をなるべく生じさせないような英文では、句動詞はあまり使われません。
しかし小説や映画ドラマ、日常会話では句動詞がバンバン使われます。
句動詞を構成する1語1語が、日常語の「基本動詞」「(基本)副詞」「(基本)前置詞」なのでね。
ということで句動詞をたくさん覚えれば、スピーキングの幅が広がります。
では今回のまとめにいきます。
句動詞とは、動詞に1語以上の語句がくっついた「動詞句」(動詞を修飾)。
動詞本来の意味をふくらませて、違った意味になります。
句動詞を形成するのは、「基本動詞」「(基本)副詞」「(基本)前置詞」。
いずれも中学英語で習うような、日常よく使われる語句です。
句動詞は「イメージ」を使うと意味を記憶しやすい。
「動詞の基本イメージ」と「副詞/前置詞の基本イメージ」を合わせて、句動詞の意味を想像してみましょう。
今回の記事は以上です。
ー To the Finest Hour ー
ただ暗記するだけでなく、語句の基本イメージから意味を想像しつつ暗記する。