英語に限らず国語でも、「音読」は脳の活性化によいと言いますね。
もちろんただの棒読みだと、脳が活発にならずに効果も少ないでしょうが、「しっかりと意識して」音読すれば、それなりの効果が望めます。
音読は脳を活性化させたり学習の助力になるだけでなく、「ストレス解消」にも効果があると言われています。
私の音読経験談の話ですが、気持ちを込めて「意識的に」音読をすると、結構疲れます。
15分でもしんどいです。
脳に負荷がかかってる感じが確かにします。
それと同時に、「やった感」があって「スッキリ感」を感じますね。
寝る前にやれば快眠効果があるかもしれません。
音読は「ストレス解消」というのは、間違いではないと思います。
では、今回の記事の流れでですが、まずは「音読」について詳しくみていきます。
音読の効果を具体的にみていきまして、そして音読の仕方を紹介していきます。
その後に、音読トレーニング参考書として人気があり、私が試したおすすめの参考書を紹介していきます。
もくじ
なぜ「音読」がよいのか?
英文を語順通り前から理解する習慣が身につく
もともと英語と日本語の、言語的脳回路は違います。
大学入試のように英文を和訳するとき、英文の後ろのほうから訳される傾向があります。
しかしこれでは、英会話できません。
スピーキングやリスニングでは、英語の意味を英語の回路(つまり語順通り)で理解することが不可欠です。
この訓練として有効なのが「音読」。
音読は、必然的に「前から」英語を読んで理解するので、語順通りに意味を理解する訓練になります。
ここで大切なのは
英語の発音がよくなる
音読するときに、あまり速く読もうとせず、まずはできるだけ「正しく」です。
ですので、英文をいきなり音読しようとせず、CDの音源を何回も聴いてから、音声をまねて発音してください。
音読は音声を使わない1人でやるものなので、ペースは自分で決められます。
発音が苦手なところに絞って、何回も同じ場所を発音矯正できます。
意識することは、「音声をまねること」。
腹式呼吸によって、お腹のインナーマッスルが鍛えられる
英語を喋る時の理想は「腹式呼吸」です。
日本語に比べて英語は、語と語を連続してつなげて喋りますし、子音の発音が大事で、
子音は空気の流れが激しいので、体内外の空気の出入りが活発になります。
これには腹式呼吸が有効だと言われています。
実際にやってみるとお腹周りが疲れます。
音読の仕方
やみくもに単調に音読しない
これ、まず始めに言っておきますが、音読の「大前提」です。
ただただ音読するのは意味がありません。
ではどう音読すればいいのか?
「その場にいるかのような臨場感を感じながら、当事者になりきって」音読する。
ネイティブみたいにスピーディーに音読しようとしないでください。
スピードを上げていくのは、何回も同じ英文を音読してからが望ましいです。
とにかく、「棒読み」だげはやめましょう。
音読するテキストの内容を完璧にしてから「音読」する
音読するのは、「未知の単語がない」「文法的にわからないところがない」「英文の意味は全てわかる」ようになってからです。
英文の意味を理解しなきゃ、音読しても意味がない。
意味が分からない英文を、当事者になりきって音読できるのでしょうか?(いやできません)
腹式呼吸を意識して正しい発音を心がける
英語という言語は、呼吸による空気の体内外の流れが激しいので、腹式呼吸を意識。
また音源通りの正しい発音になっているか、ボイスレコーダーで自分の発音をチェックします。
また正しく発音できることが音読の目的の1つなので、ネイティブの速さを無理してまねないこと。
音読するタイミング
私の考えでは、「シャドーイング」の後です。
シャドーングまでできるようになれば、音声を何回も聴いてるので、音読するときに音声をまねしやすいから。
ではこれから、音読するおすすめの教材を紹介します。
『ラダーシリーズ』
ラダーシリーズとは
「ladder」(はしご)ということで
自分の英語力に合わせて、一歩一歩レベルの段階を踏んで、英語の多読に慣れて「英語回路を体に叩き込んでいく」ことを、目的にしたシリーズ。
語学教材として、学校でも使用しているところがあると聞いたことがあります。
レベル別にいろんな本があり、レベルは「1~5」まで。
レベルの目安は以下の通りです。
①レベル1 TOEIC L&R 300~400点 英検4級
②レベル2 TOEIC L&R 400~500点 英検3級
③レベル3 TOEIC L&R 500~600点 英検準2級
④レベル4 TOEIC L&R 600~700点 英検2級
⑤レベル5 TOEIC L&R 700点以上 英検準1級
本のジャンルはさまざま。
扱っているジャンルは、「伝記」「文学」「ビジネス」「ノンフィクション」などいろいろ!
世間一般に有名なネタ(童話や偉人など)を題材にしたものが多いから、一般常識的な知識を得る機会になります。
興味あるものを選び放題。
例えばほんの一例ですが、『走れメロス』『星の王子様』『ローマの休日』『ピーターパン』『美女と野獣』『よだかの星』『イソップ物語』といった物語系。
『アインシュタイン』『ガンジー』『マイケル・ジャクソン』『スティーブ・ジョブス』といった伝記系。
そして『ソクラテスの弁明』『恋と仕事にスグ効く英語100』『何がヘン?この英語』『心に響く英語のことわざ名言100戦』といった、あらゆるシリーズがあります。
たくさんのラダーシリーズを買ったらけっこうな金額になるので、Amazonやメルカリなどで中古品を買い買い漁るのがいいかと思います。
また学生であれば学校の図書館をまず探すべし。
学校によってはラダーシリーズあるかもしれません。
社会人の方は近くの図書館を当たってみましょう。
ラダーシリーズをおすすめする理由
音読だけではなく、多読・速読にもうってつけ
多読・速読で使う素材は、自分の英語力よりもワンランク低いものをチョイスして、自分に合っているもの。
ラダーシリーズはレベル別に英語力の目安が指定されているので、どのレベルの素材にすれべいいか自ずと判断できるかと思います。
ラダーシリーズのよいところは、「多読のしやすさ」。
多読はスムーズに読むことがキーポイントなので、未知の単語をいちいち辞書で調べることはおすすめしません。
ラダーシリーズは、単語が巻末にリストで載ってあるので、多読の邪魔をせずすぐに単語をチェックできます。
また「最初のほうにあらすじが載ってある」ので、多読を助けてくれます。
英語力を伸ばしながら、いろんな知識を吸収できる
ラダーシリーズは、種類の多さが売りでもあります。
取り扱いのジャンルが幅広いから、いろんな本を簡単な英語で読むことができます。
ラダーシリーズは、実際の作品を短くして、実際の本の概ねの内容をまとめた英語版の本なので、気軽に読むことができます。
ラダーシリーズは有名な文学(童話)、スティーブ・ジョブスやアインシュタインといった偉人の伝記もありますので、いろいろ読み漁れば深くではないけれど、英語の勉強にもなりますし、知らなかったことを知れる機会にもなりますので、おすすめのbooksです。
ラダーシリーズの使い方
難しい本は選ばない
使用する素材は
自分の実力よりも、1つ2つレベルを落としたもの。
というのはリーディングをスムーズにできなければ、多読や速読は不可能だからです。
とにかくラダーシリーズでやることは「多読・速読」そして「音読」です。
もちろん未知の単語を調べても良いですが、単語帳を調べる動作が少ないほうが、スムーズに読めます。
だから、自分のレベルよりも低い素材を選ぶのです。
最初は分からない単語を全部覚えることに特化して、2回目以降に多読、音読です。
未知の単語は、巻末の語彙リストで調べる
巻末には、本文で出てくる単語がたくさん載っています。
辞書だと、1つの単語でもたくさんの意味が載っているので、どの意味が本文に合っているのか判断するのに時間がかかります。
ラダーシリーズの巻末は、基本的に本文に即した意味がシンプルに載っているので、単語の意味が把握しやすい仕上がりです。
辞書を使うよりは、多読・音読の弊害になりません。
オーディオブックについて
オーディオブック(本文の音声)は有料ですが、これにより「音読」「多読」だけでなく、「リスニング」や「シャドーイング」のトレーニングができます。
本文全体のリーディングをある程度回数をこなしてからにしましょう。
多読で心がけること
頭の中で本文を日本語に訳して読まず、語順通りに英語理解。
返り読みは極力しないでください。
それと「心の中で音読しながら黙読する」のもやめてください。
これは意識しなけでばできないことです。
一切の日本語は排除して、英語回路で英文の内容を理解してください。
『音読パッケージ』 ベレ出版
音読教材では人気を誇る教材です。
私も音読トレーニングでこれを使っていた時期があります。
本書概要
著者が想定しているこの教材の学習者は、TOEIC300~500点前半ということで、初級者から初中級者です。
ですが中級者でも、「音読トレーニング」を本格的にやったことがなく、レベルの高いテキストを音読する前のウォーミングアップ教材として使いたいたいという方には役に立つと思います。
ということで英文自体のレベルは易しく、中学英語レベルなので、内容は日常会話に即した印象でした。
いくらか難しい単語には「語注」があります。
「左ページに英文」、「右ページにその日本語全訳」という形式。
本書には、本書の学習手順が詳しく解説されています。
音声はCDで付録されています。
「通常より遅いスピード」と、「通常速度の音声」が収録。
さらには2枚目のCDには「フレーズごと・センテンスごとにポーズが入ったパターンの音声」が収録されてます。これはリピーティングに使えます。
本書の言葉を借りると、『稼働系』のトレーニング教材です。
文法・単語を覚えて読解訓練するのが『学習系』の英語学習ということです。
『学習系』で覚えた知識を、「リスニング」「リピーティング」「シャドーイング」といった、体(口と耳)を使って使いこなす訓練が、『稼働系』の英語トレーニングです。
英語を英語のまま理解できる「英語の体質」をつけ、「返り読み」とはおさらばしましょう。
本書の使い方
本書の説明に即して「本書の使い方」を説明していきます。
(私の考えと一致しないこともありますが)
まずはリスニングしてみる
最初に「ポーズのない音源」で、複数回リスニングしましょう。
文字に頼らず音声だけで、細かい部分までは気にせず、英文の内容の概略を把握するよう努めてください。
英文を徹底理解する
ここが最初に時間をかけるメインパートです。
リスニングした英文を吟味します。
吟味するくらいだから、英文の意味はもちろん、文法や単語も全部わかるくらいになるようにします。
この英文を徹底理解することを、本書では『聴き解き』と表現していますが、この『聴き解き』という作業は、最初の1回だけにしてください。
では『聴き解き』について。
英文1つ1つのセンテンスを音声とテキストの英文を使って確認します。
「英語の音声と文字」をしっかりと「目と耳」を使って「一致」させてください。
英語の発音には、語と語をつなげて話す「連結」や、発音しにくいからあえて発音しない「脱落」といった特徴があるので、それにも慣れていきましょう。
文法や単語の確認は、以下で説明する「リピーティング」の段階でやります。
< 『聴き解き』の手順 >
①テキストをみないリピーティング
センテンスやフレーズの間に「ポーズが入る音声」を使ってください(付録されてます)。
②テキストを見ながらリピーティング
テキストの内容を、「耳と口を使って」完璧にする段階です。
ここで、文法や単語は全て完璧にしてください。
素材文章で、わからないところはないようにする、ということです。
③完璧に把握したテキストの「音読」
やってはいけないのは、棒読みです。
臨場感をもってその場にいるかのように、想像してやってください。
そして音声をまねして音声通りに発音することを、意識してください。
テキストを暗記する必要はありません。
最初の音読では、10~20回繰り返しましょう。
④テキストを見ないリピーティング
どれだけ力がついたのか確認できます。
まだ力不足であれば、「テキストを見たリピーティング」や「音読」を繰り返してください。
⑤シャドーイング
最終段階はテキストを見ないで通常スピードの音声をシャドーイングすることです。
できないうちは、またリピーティングで強化して、最後にはシャドーイングできるようになりましょう。
シャドーングができるようになったら、かなり力がついている証拠です。
『聴き解き』を1回やったら、「音読」と「シャドーイング」を繰り返す
1回目で英文の内容を完全理解したので、あとはそれを体に染み込ませること。
「音読」と「シャドーイング」何回も繰り返して、英文を体に染み込ませて自分のものにしていきます。
ちなみになんですが、、、
本書では、「音読」と「シャドーイング」の順番で言えば、「音読」先で「シャドーイング」が後ですが、私の考えとしては逆です。
なぜかというと、私は「音読は音声を何回も聴いた後にするべき」だと考えるからです。
だから音読は一番最後がベスト。
音読は「我流」じゃなく、発音が「音声に近づくこと」が大切だからです。
そのためには、音声の特徴を把握していなければできません。
以上の理由で、私は音読はシャドーイングの後にしています。
まとめ
以上、「音読」の効果とやり方をみてきて、おすすめの教材を紹介してきましたが、いかがでしたか?
「音読」の重要性が説かれる昨今ですが、私も音読推奨派です。
真剣に音読していると、口まわりが疲れます。同時に脳を使っている実感があります。
「音読」によって、語順通りに英語を理解する「英語回路ができあがり」、また自分のペースで発音できるので、「発音を集中的に矯正」できます。
音読するときに絶対に守っていただきたいのが、「棒読みをしない」ということ!
音読する「タイミング」についてですが、一般的には「シャドーイングの前」かもしれませんが、私的には「シャドーイングの後」です。
音読は「我流」ではなく、「音声をまねて発音」することが大切で、たくさん音声を聴いて音声の特徴を覚えた状態で音読にもっていくべきだと思うからです。
シャドーイングまでクリアできれば、音声をけっこうな回数反復してきたことになります。
これはあくまで私の考えなので、ご参考なまでにどうぞ。
今回の記事は以上とします。
「音読」で「英語回路」をインプットしましょう!
― To the Finest Hour ―
「返り読み」しないこと。