こんにちは、孤独なライターです。
一からリスニングを鍛えていきたい!
そんな方にぜひやっていただきたいのが、「ディクテーション」。
今回は、ディクテーションについて具体的に解説していきます。
そして本格的にディクテーションを取り組んでみたいという方のために、ディクテーション専門のおすすめ教材を紹介いたします。
ただひとつ留意していただきたいのが、ディクテーションのみで、リスニング力が飛躍的にあがるわけではないということ。
「発音トレーニング」も大事です。
リスニングで英文を聞き取るためには、正しい発音も知らなければなりません。
①ディクテーションの簡単な説明。
どんなトーレ―ニングか、メリット・デメリットについても説明します。
②ディクテーションの具体的なやり方。
「黙聴」「ディクテーション」「答え合わせ」「英文を声に出す」「復習」です。
③ディクテーションのおすすめ教材。
2冊紹介します。
もくじ
ディクテーションとは?
どんなトレーニングか?
英語の音声を聴き取って、そっくりそのまま音声通りの英文を書きとる。
という語学のトレーニングです。
英語4技能の中で、特に「リスニング」を徹底的に鍛えることができます。
リスニングをこれからやっていく人、リスニングが苦手だという方はディクテーションを始めるべき。
ディクテーションは「精聴トレーニング」なので、英語学習初級者おすすめします。
なぜかというと、初級者は短文をじっくり理解していくことが必要だから。
短文で英語を理解できなければ、長文も理解できません。
ディクテーション専門の教材を、1冊だけでもやってみましょう。
中学1年生レベルの簡単な英語でも、いざディクテーションすると案外書きとれないものです。
リスニングして「なんとなく全体の意味が分かる」という程度では、ディクテーションではあまり書きとれません。やればわかります。
使用する教材はやさしめの本をおすすめします。背伸びしないように。
未知の単語が10パーセント以上ある英文をディクテーションするのは効率が悪いので、購入するときに英文をサラッと確かめるのがよいでしょう。
ディクテーションのメリット
リスニングを徹底的に強化できる。
ちょっとした発音の違いを聞き分けることができるようになります。
例えば「a」と「the」は、それ1語では発音の違いを聞き分けることができますが、文単位となるとその2者はほとんど同じように聞こえます。
時間はかかりますが、ディクテーションで訓練すればある程度聞き分けられるようになります。
語彙や文法の確認が徹底的にできる。
ディクテーションは英文と真正面から向き合う訓練なので、単語のスペルや構文といった文法事項の再確認にもつながります。
「あれ、スペルなんだっけ?」。
簡単な単語でも、ディクテーションすればこういったことがよくあります。
単語帳を眺めるような暗記作業ではないので、未知の単語も覚えやすいメリットもあります。
ディクテーションのデメリット
わりと苦しい。
ディクテーションはなんといっても地味ーーな訓練なので、進むのに時間がかかります。
忍耐との勝負です。
ディクテーションだけではリスニング力アップしない。
ディクテーションは、いわば超精聴訓練。
リスニングの基礎をつくる訓練ではありますが、TOEICリスニング、英検上位レベルのリスニングに太刀打ちするためには、「概聴」も必要になります。
「概聴」とは、音声全体の内容の流れを把握するリスニングトレーニングです。
ですが英語初心者は、まずは短文を理解することから始まりますので、リスニングを鍛えるならディクテーションしてください。
ディクテーションの進め方
STEP1 まずは黙聴
テキストをみないで複数回リスニングする。
細かい内容までは聞き取れないとしても、どういう内容の英文なのか、概観を把握するように努めてください。
STEP2 実際にディクテーションする
まずは音声を聴きながら、長文全体を書きとってみましょう。
1文ずつ書きとってすぐに答え合わせするのではなく、とりあえずひと通り書き取りましょう。
聴き取れない箇所は、5~10回リピートする。
そのくらいの回数を繰り返しても書き取れない場合は、諦めます。
私の経験上、5回10回聞いてもわからないものはわかりません。
STEP3 答え合わせ
未知の単語や文法があったら、この時点で調べる。
答えをみて、自分が間違ったところ・わからなかったところを確認します。
(知ってる単語なのに聞き取れないと、ほんと悔しくなりますよ)。
STEP4 間違ったところ、わからなかったところを納得いくまで聴く
必ず音声をまねて発音する。
納得いくまで、音声を繰り返し聴いてください。
STEP5 期間をあけてもう一度ディクテーションする
タイミングとしては、ディクテーションした英文の内容を忘れかけているとき。
復習を必ずしましょう。
どれくらい期間を空けるかは人それぞれですが、このタイミングに復習するのが効果が高いです。
ディクテーション おすすめ教材 2選
『英語は書いて身につける』 アルク
一からディクテーションを始める方に向けた易しいレベル。
英文は日常会話に即した実用的なものです。
当教材は大きく分けて3つの構成になっております。
①日常生活でよく使われる基本フレーズを身につける、『基本編』
②日常生活で使われるさまざまな会話表現を学べる、『実践編』
③日本人が苦手とする英文法をディクテーションする、『文法編』
『基本編』と『実践編』には、日常会話に出てくる重要表現が各ユニットに1つずつ載っております。
また、「連結」「脱落」といった英語特有の発音のポイントをのせた『聞き取りのポイント』(本書引用)も書いております。
『基本編』と『実践編』の各ユニットには、会話形式のリスニング問題が1題ずつあります。
さらに、音声の英文をなぞる『なぞり書き』(本書引用)という項目があります。
音声は、CD付録ではなくダウンロード形式です。
中学1~3年までの英文法をひと通り終えて、これからリスニング学習を始めたい方。
本書は易しいレベルの参考書ですが、文法は中学3年まではある程度知らなければわからないレベルです。
さらには高校で習う「仮定法」も出てきます。
英文法ファーストです。
「文法」や「簡単な単語」を知らなければ、リスニングだろうとなんだろうと、英語の意味が理解できません。
では、この教材のやり方に関して。
以下に説明するのは、本書が指定してるやり方です。
①まずは黙聴する。
②英文を『なぞり書き』する。
③実際に英文をディクテーションする。
④シャドーイング・音読する。
①英文をリスニング。
まずは、英文全体を複数回リスニングです。
もちろん原文をみないでください。
その後、テキストの質問に答えます。
この段階では、全体の意味を把握するよう頑張ってください。
②『なぞり書き』する。
原文の所々の単語がうっすら書いてある項目が、各ユニットにあります。
それをなぞります。
(『なぞり書き』は、やりたくなければ飛ばしてけっこうです。)
③ディクテーションする。
音声を聴きながら、テキストの空所に単語を書いていきます。
聴き取れなかったところは、答え合わせをした後に納得のいくまで何回も聴き直してください。
各ユニットにある『聞き取りのポイント』で、英語特有の発音について(連結など)の解説が書いてあるので、そこは音声を使ってしっかり確認してください。
④シャドーイング・音読する。
シャドーイングの前に、オーバーラッピングをやります。
目安は「シャドーイング」ができるようになるまで。
シャドーイングができるようになるかが大切なポイント。
その後は「音読」にトライを。
(私個人的には音読推奨派ではありません。)
『聞いて書きとる英語リスニング』 ディーエイチシー
『簡単な英文でもリスニングだと意味がわからない』(本書引用)を克服する。
とってもシンプルに構成された教材なので、取り組みやすい。
この本は、『基本編』と『エクササイズ編』の2つに分かれております。
『基本編』:日本人が聞き取れない「英語音声の5つの特徴」を学ぶ。
例えば、「複数単語なのに1音節のように聞こえる」現象や、「リエゾン(連結)」などにもふれています。
『エクササイズ編』:『初級編』は問題数が「150問」、『中級編』は「100問」、『上級編』は「50問」。
長文をディクテーションするようなものではありません。
また音声全てを書き取りするのではなく、英文の空所を埋めていく形式です。
そして嬉しいのが、英文の内容が日常会話チックなので、英会話に使えそう。
この教材の気が利くなぁと思った点が、ディクテーション用の問題用紙がダウンロードできるので、テキストに直接書くことなく、何度も復習できます。
これは他の教材にはみられないサービス。
ただしこれは、『エクササイズ編』のみ。
音声はCDで、1枚付録でついてきます。
中学校3年間の英文法をひと通り終えて、これからリスニングに取り組む方。
英語学習の一番最初に、中学3年間の英文法を固めるべき。
単語の意味が分かってても文法を知らなければ、正確な意味がつかめません。
いきなり音声全ての英文をディクテーションするのは、初心者の方にとってはとても負担に感じます。
本書では、全ての単語をディクテーションするのではありません。
穴埋め形式なので書き取るのは、英文の一部(一部といっても、空所の箇所の割合のほう高い)。
まだディクテーションやったことなくて、最初に易しい問題をたくさんディクテーションしたい方にはおすすめな教材です。
日本人の英語聞き取りの弱点である5つのパターンを詳しくやる。
以下のポイントをディクテーションします。
まずは英文をみないでトライです。
①『単語が1音声のように聞こえる』(本書引用)。
単語1語だけを聴き取る訓練をします。
②『前置詞と後ろの語句が1音節のように聞こえる』(本書引用)。
2, 3単語で構成される前置詞句の聞き取りをします。
③『主語・動詞が1音節のように聞こえる』(本書引用)。
ほぼ「主語+動詞」だけの2, 3単語の聞き取りをします。
④『母音がリエゾン(連結)する』(本書引用)。
日本人が英語リスニングが苦手である最もな原因、「語句の連結」を聴き取ります。
私的には、本書に「リエゾン」の練習量がもっとあってもいいんじゃないかと思いました。
⑤『「t」・「d」が後ろの語句に結合する』(本書引用)。
日本語にはあまりみられない、英語特有の「脱落」を聴き取る訓練です。
これも「リエゾン」と同じく、たくさんの訓練が必要です。
ディクテーションする量が、段階的に増えていく。
どの段階でも、『基本編』で学んだ5つのパターンを意識してください。
まずは英文をみないでトライです。
①『初級編』
10単語以内で構成された英文のディクテーションです。
問題数は150問です。
②『中級編』
10~20語で構成された英文を聴き取ります。
問題数は100問。
③『上級編』
会話形式の英語を聴き取ります。
といっても「A」と「B」が1回ずつ発言する、短い文章をディクテーションするだけ。
『上級編』といっても決して難しくないので、ディクテーション初心者でも取り組めます。
まとめ
「ディクテーション専門」の教材は必ずやるべきというわけではありませんが、リスニングを一から鍛えたいという方には、ぜひおすすめします。
ディクテーションはなかなか進まないので大変ですが、リスニングできるようになることを信じてやってみてください。
今回紹介した教材は、英文自体は易しめのレベルですが、文法的に中学英語3年間が前提になってますので、中学英語がまだあやふやだという方は、早めに中学英文法を固めましょう。
では、今回のまとめに入ります。
ディクテーションとは、英語の音声を聴き取って、そっくりそのまま音声通りの英文を書きとる訓練。
メリットは「リスニングを徹底的に強化できる」「語彙・文法の確認ができる」、デメリットは「地味なトレーニングだから苦しい」といったことでした。
ディクテーションの進め方。
①まずは英文をみないでリスニングする。
②実際にディクテーションする。
③答え合わせする。
④時間を空けてもう一度ディクテーション。
答え合わせの段階で、英文の単語・文法・意味全て理解した状態にしてください。
ディクテーション専門の教材をおすすめするのは、中学英語をクリアした上でこれからリスニングに励みたい方。リスニング初心者。
ディクテーション専門の教材は、やるとしても1冊で十分。
ディクテーションのやり方を学ぶのが目的の1つですので、終わったら別な参考書の長文をがんがんディクテーションしましょう。
別記事で述べてますが、私個人的のおすすめは『速読英単語・熟語』シリーズ。
単語を学びながら長文で、「ディクテーション」から「シャドーイング」、「英作トレーニング」までできちゃいます。
教材選びのご参考なまでに。
では、今日も英語学習がんばりましょう!
今回の記事は以上です
― To the Finest Hour ―
リスニングでは聴けたつもりでも、いざそれを文字で表そうとすると案外聴き取れていないとわかるのがディクテーション。