こんにちは、孤独なライターです。
今回は、VERSANTスピーキングテストの対策の仕方を、具体的に解説していきます。VERSANTは、TOEIC S&W と同じく英語のアウトプットの試験なのですが、TOEICのように世間的に広く知られた試験ではありません。現時点でVERSANT専門の教材はほとんどなく、受験したことない方は、対策の仕方がわからないと思われます。なので、ネットで受験経験者の情報を調べて対策の仕方を模索しましょう。私は今まで、VERSANTスピーキングを2回受験しました。この記事では、経験したことをもとにVERSANTスピーキングの対策の仕方を、Part別に解説していきます。
特にリスニング力は必須です。聴き取れなければ回答もできない試験です。VERSANTの音声は聴き取りにくいので、油断できません。
①Part A:音読
「発音記号」を覚えて、見て自分で発音できるように。そして「リエゾン」「脱落」など英語特有の現象に慣れましょう。
②Part B:繰り返し
とにかく、テキストの英文をみないで、短い英文をリピーティングしてください。
③Part C:質問
意外と「単語力」が命です。英検2級レベルの語彙力はせめてほしいところ。覚えた語彙の正しい発音がわかるようにしてください。
④Part D:文の構築
基本的な文法を知らなければ、回答できません。中学英文法は駆使できるぐらいになりましょう。
⑤Part E:内容説明
普段から、音声付きの長文を使って、自分の言葉で要約するトレーニングをしてください。
⑥Part F:自分の意見
Part F のおすすめの教材はありません。自分で内容を考える「ひとり英会話」がおすすめです。
では、それぞれのPartの対策を詳しくみていきます。
もくじ
Part A:音読(Reading)(8問)
このPartだけは、ネイティブを目指す
普段から、発音・連結・脱落を意識しながら、短い英文を音読する習慣を身につける。
Part Aは、あらかじめ呈示された1文の英文を音読するPartです。音読なので、VERSANTスピーキング試験の評価観点の中の「発音」「流暢さ」のスコアを左右するPartともいえます。
「発音」が評価されますので、当然発音の練習をしてください。理想は、発音トレーニングに特化するのではなく、単語帳で単語の意味を覚えたり、例文で単語の使い方を確認しながら、「発音記号」や「音声」を使って、単語の正しい発音の仕方を覚えること!
また「流暢さ」が評価されますが、ここで大事になるのが、日本語にはない英語特有の現象である「リエゾン」「脱落」に慣れて、これらを意識して音読トレーニングをすることです。リエゾン・脱落をマスターすれば、ネイティブにより近づくことができます!
Part A おすすめ教材
・『速読速聴・英単語 Basic2400』 Z会
・『速読速聴・英単語 Dairy1500』 Z会
これらの教材はもともと単語教材ですが、長文を使って単語を覚える「文脈主義」をとっているため、長文の数がたくさんあり、音読トレーニングがたくさんできます。長文の音声も「リエゾン」「脱落」をもろに反映しておりますので、より英語が流暢になることが期待できます。デメリットは、単語1語での発音の音声が収録されていないことです。単語1語の発音を音声で確認したいという方は、別の単語帳も必要です。
長文をたくさんのせた「文脈主義」の単語帳は他にもあります。有名なのが『速読英単語』シリーズです。
私は長い間このシリーズを使ってきましたが、もう一度英語をやり直したい大学生・社会人にとっては『速読速聴』シリーズに軍配が上がると思っております。「長文の多さ」「音声の流暢さ」「英文・日本文の自然さ」という観点から、私は『速読速聴』シリーズを選びます。
Part B:繰り返し(Repeat)(16問)
英文を短期的に記憶できる能力も試される
対策は、短い英文をたくさんリピーティング(テキスト見ないで)すること。
Part Bは、短い英文の音声をリピーティングするPartです。つまりどういうことかというと
①音声を聴く → ②記憶する → ③それを繰り返す
じつはこれ、「記憶する」というのが厄介で、なかなか苦戦するPartなんです。忘れたらもうアウト。ここで大事になってくるのが、ちょっとぐらい忘れたからといって、試験中テンパらないこと!これは絶対にあってはいけません。後の問題に悪く影響しちゃうからです。わからなくなった部分があったら、そこは曖昧でいいのでなんとなくスピーキングして、わかる部分を確実にスピーキングしてください。
Part B おすすめ教材
音声付きで、1文1文を瞬間英作できる教材。
・『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』 ベレ出版
・『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』 ベレ出版
この教材の形式は、いたってシンプルです。左ページにのってる日本語を、右ページにのってる英語に即変換するトレーニングです。長文ではなく1文1文やっていきます。このシリーズを使ったリピーティングのやり方について。
①日本語 → ②ポーズ(瞬間英作) → ③英文
この順で音声が流れます。①と②は省いて、③が流れたら音声通りの英語をリピーティングしてください(もちろんテキスト見ない!)。
ちなみに『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は、英文が短く、文法・文型別に英文が分かれているので易しめのレベルです。それに比べて『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』は、1文が長くなり、文法・文型別に英文が分かれていなくシャッフルされているので、リピーティングの難易度は上がります。
Part C:質問(Questions)(24問)
質問の英文自体はシンプルだが、それなりのレベルの単語が出てくる
意外なことだが、語彙力を強化しながら覚えた単語の発音もマスターする。
Part Cは、音声による質問に対して答えていくだけの問題です。質問文自体の長さは短いので、パターンとしてはシンプルといえます。しかも回答の仕方が、文を使わず単語レベルの英語で答えていくだけなので、みた感じイージーに思えるPartです。ですが、2択で答える単純な質問だけでなく、少し考えなければ答えられない質問も出てくるので、油断は禁物!
Part Cは、語彙力を試す問題でもあります。英検準1級・1級の単語帳に出てくるような難解の単語はほとんど出ないようですが、2択の質問を除いて、語彙を知らなければ答えられないタイプの問題になりますので、中級レベル(英検2級)までの語彙は、発音も含めマスターしといてください。
Part C おすすめ教材
Part Cに関して、取り立てておすすめする教材はありませんが、英検2級レベルまでの単語とその発音はマスターするべきなので、音声で発音を確認できる単語帳をおすすめ教材としてあげます。
・『速読英単語 入門編』 Z会
・『速読英単語 必修編』 Z会
Part D:文の構築(Sentence Builds)(10問)
短期記憶も試されるが、大事なのは基本的な文法力
中学英文法レベルの英文は、スラスラ言えるようにする。
Part D は、いわゆる並べ替え問題です。例えば音声が、「works」「every day」「he」の順で流れたとします。これを受験者が、「He works every day.」とスピーキングします。これがPart D の「文の構築」の問題パターンです。この例のように、3つの語群が音声で呈示されますので、それらを瞬時に並べ替えて正しい英文をスピーキングしてください。Part D はPart B(繰り返し)と同じく、聴いた音性をわずかの間ですが記憶しなければなりません。またPart D は並べ替え問題なので、文法力が必須!最低でも、中学英文法はマスターしといてください。
Part D おすすめ教材
Part D の対策として言えるのが、中学英文法レベルの英語はスピーキングできるようにしとくこと。中学英語のようなシンプルな英語でも、スピーキング初心者はアウトプットできません。アウトプットは、アウトプットのトレーニングが必要です。ということで、Part D のおすすめ教材は、Part B とだいたい同じく
・『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』 ベレ出版
・『おかわり どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』 ベレ出版
・『おかわり スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』 ベレ出版
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』と『おかわり どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は、内容があまり変わらないので、どちらかでOKです。しかし、Part B でおすすめした『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』と『おかわり スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』は少し異なり、前者の後半で扱う英文は長くて複雑になります。英文を記憶するトレーニングにはいいでしょうが、Part D の対策には必要ないので、より英文がシンプルな後者がベターです。中学英語をアウトプットできるようになるための教材として、このシリーズは外せません。
Part E:内容説明(Story Retelling)(3問)
短期記憶力だけでなく、ある程度長い英文をスピーキングできるか
聴いた音声とは違う単語でパラフレーズ(言い換え)できれば、スコアが上がりやすいと言われている。
Part E は、要約問題です。まとまった英文の音声を聴いて、それをまとまった英語で内容を説明するという、レベルの高いPartになります。なのでこのPartも、音声内容を短期的に記憶しなければなりません。しかも、回答する際に音声が言った英単語を使うよりは、自分が知っている単語で回答したほうが、「語彙」のスコアが上がるでしょう。英検2級レベルまでの単語は、マスターしたいところ!Part E の対策として確実に言えるのは、普段からまとまった音声を聴いて、それを自分の英語で説明するトレーニングをしてください、ということです。
Part E おすすめ教材
英検教材の、『文で覚える単熟語』シリーズを推薦します。
・『英検3級 文で覚える単熟語』 旺文社
・『英検準2級 文で覚える単熟語』 旺文社
まずこのシリーズを推薦する理由は、とにかく程よい長さの長文がたくさんあるという点です。それと、Part E の音声の英文レベルと大体同じだからです。このPartの音声レベルは決して高くありません。例えば
ピーターは学校から家に帰ってきた後、母親が作った夕食を食べました、それから彼は、嫌いな数学の宿題を1時間やりました。・・・
このように、アカデミックな英文を聴かされるわけではありません。英検3級、準2級レベルの英語でトレーニングすればOK!普段から長文をパラフレーズして、自分の英語で要約してみる練習をしてください。
Part F:自分の意見(Open Questions)(2問)
質問内容は難しくない 結論・理由を明確にする
「Part F」に出るような質問内容を自分で考えて、「ひとり英会話」でトレーニングする。
Part F は、テーマを与えられます。それに関して、自分の意見を答えるという問題形式になります。テーマ自体は、そこまで難しいものでもありません。アカデミックな要素は薄いのでご安心を。例えば
・田舎と都会、どっちに住みたいですか?
・地球温暖化を阻止するために、あなたは何ができますか?
・集団授業と個別授業、あなたはどちらがいいと思いますか?
このように、質問自体の内容はあまり難しくありません。ですが簡単な質問でも、自分の意見を素早くまとめるのは容易ではありません。回答の内容のレベルは気にしないでください。気にするべきなのは、「主張→理由①→理由②→結論(主張)」の流れを明確にして、それを英語でアウトプットできるか、ということ。自分の本当の気持ち(思い)をスピーキングするよりも、話の流れ(論理)が自然な内容を、英語でアウトプットできるかが、ポイントになります。
Part F おすすめ教材
Part F に関しては、おすすめ教材はありません。おすすめするのは、自分で内容を考えた「ひとり英会話」です。やり方は、いたってシンプル!自分で質問内容を考えて、それに対して自分の意見を回答してみる、というトレーニング方法です。ただし、きちんと「主張→理由①→理由②→結論(主張)」の流れを回答することを意識をして、ひとり英会話をしてください。ひとり英会話では、自分が英語で言えない表現にたくさん出くわしますので、わからない表現は必ずネットで調べて、自分のものにしてください。
まとめ
VERSANTスピーキング試験の対策の仕方を、Part別にみてきました。VERSANTの対策に関して、ほとんど教材がなかったりと、まだ発展途上の世界です。ですが、対策どうのこうのという以上に、普段から勉強して英語力をつけとけば、スコアはどんどんアップしていきます。語彙力、リスニング力、スピーキング力を中心にスキルアップして、VERSANT スコア50・60を目指していきましょう。24時間どこでも受けれるお手軽なスピーキング試験ですので!頑張りましょう。
では、今回の記事のまとめです。
①Part A(音読):普段から、「発音」「リエゾン」「脱落」を意識して音読する。
②Part B(繰り返し):短い英文をリピーティングしまくる。
③Part C(質問):英検2級までの単語の「意味・発音」を完璧にする。
④Part D(文の構築):文法力が命。中学英文法の英語はスラスラ話せるように。
⑤Part E(内容説明):自分の言葉で長文を要約するトレーニングがおすすめ。
⑥Part F(自分の意見):質問内容をつくって、ひとり英会話。
今回は以上です
ー To the Finest Hour ー
VERSANTスピーキング試験は、リスニング力・語彙力も問う。