今回は日本人にとって理解しにくい、「前置詞」に関する教材を紹介いたします。
前置詞については、以下のリンクで詳しく解説してます。
前置詞は日本語にはない品詞なので、我々には馴染がないんですよね。
そして前置詞は、状況によって意味が違ってきます。
さらに頻出度が高い前置詞(on, in, off, by など)の中には、動詞を修飾する「副詞」にもなり得ます。
ということで前置詞の学習は必要なんです。
そしてたくさん英語にふれて、場数を踏んで慣れていくことが必要です。
これが前置詞です。
今回の記事の流れについて。
①前置詞の文法の復習。
②前置詞の学習の仕方について。
③「前置詞」に関する教材を紹介。
ではいきます。
もくじ
前置詞とは?
前置詞とは、「前」に「置」く「詞」です。
「何」の前か?
「名詞」の前です。
そして、以下が前置詞の文法的ポイント。
前置詞と名詞がセットになって「句」になる。
その句が「形容詞」句か「副詞」句となって、「修飾語」句として何かを修飾する。
つまり 「前置詞+名詞」→「形容詞句」or「副詞句」。
「句」については、以下の記事を参考にしてください。
前置詞の学習の仕方
前置詞は原イメージを知ることが大事。
前置詞は、原イメージを知ることが大事。
状況によりいろんな意味になる前置詞の、1コ1コの意味なんて暗記してられません。
前置詞にもそれぞれ本質イメージがあります。
本質イメージをベースにして、そのときに適した意味へとふくらませていく。
これが前置詞習得の極意!
とにかくイメージを大事にしてください。
今回紹介します2冊の前置詞の参考書は、どちらも前置詞の本質イメージを、図やイラストを使って解説しております。
この2つの大きな違いは、「網羅性」「専門性」です。
『もう迷わない 前置詞の使い方が分かる本』 明日香出版社
<肝心なところだけとりあえず勉強したいという、初心者に向いたもの>
本書は、主要な前置詞のみに絞ったテキストです。
「in」「by」「to」「for」といった、基本前置詞9つです。
ですので本書をおすすめする方は、重要な前置詞をサラッとやりたい方といえます。
全部で12チャプターあり、1~9チャプターで前置詞9つを取り上げています。
1~9までの各チャプターの冒頭で、各前置詞の基本イメージを、イラストを使って表してます。
本書全体ではイラストがあまりなく、文字数も少ないのでシンプルな作りで読みやすいです。
1~9のチャプターの中で、『合わせて覚えておきたい前置詞』(基本前置詞9つ以外)の説明もあります。
例えば、「in」の中のチャプターでは、「into」も取り上げてます。
本書の1~9のチャプターの構成を、「from」を例にして説明します。
「from」
・基本イメージ →「起点」
・派生イメージ →①「出発点」(いくつかの例文)
②「並列」~から,,,,,,へ(いくつかの例文)
③「視点・観点」(いくつかの例文)
こんな感じです。
音声はダウンロードで、音声はこの例文を収録したものです。
最後の3チャプター(10~12チャプター)は、「シチュエーションは似ているが、使う前置詞はこっちじゃなく、これ」といったことを、比較・対峙させて解説しております。
『前置詞使い分けBOOK』 ベレ出版
<前置詞を極める勢いで勉強したいという方におすすめ>
詳細なことにまで突っ込んだ内容ですが、決して難しくはなく、休憩中にでも読みたくなるような面白い参考書です。
本書は、前置詞が放つイメージの概略を知るためのもの。
全部で「55コの前置詞」を網羅。
前置詞の辞書として活用できます。
なので前置詞をマジで詳しく知りたいという方は、もってこいの参考書。
例文もイラストも豊富にあるので、充実度は高い!
イラストがシンプルで、万人受けする印象です。
「句動詞」も併せてたくさん学習できます。
また前置詞の教材ですが、基本前置詞は副詞としてもよく使われるので、副詞としての使われ方にも十分に言及しております。
本書は、前置詞の基本イメージを明確につかめるよう、より多方面からターゲットの前置詞にアプローチしてます。
他の前置詞と比較したり、語源を使った内容を盛り込んだり、前置詞が動詞や名詞と合わさった成句(イディオム)をまとめたりしています。
本書は3つの章で構成されています。
・第1章 『位置・時間を表す最重要前置詞』
「at」「in」「on」3つの解説。
・第2章 『主要前置詞』
上記3つ以外の前置詞。
「for」「of」「by」などがこの章に収められてます。
・第3章 『前置詞図解一覧』
約30種類の前置詞のイメージを、シンプルな図で表した一覧表になります。
本書には音声はついてません。
前置詞の基本イメージを知るのが目的なので、音声がなくとも特に支障がないと思います。
まとめ
以上前置詞の参考書を紹介してきました。
前置詞は日本語にない文法なので、なかなか定着するまでに時間を要します。
まずは、前置詞それぞれの基本イメージから覚えていきましょう。
もちろん、前置詞の文法的使い方も知らなければいけません。
「前置詞があったらその後ろに名詞がくる」「前置詞のカタマリは、形容詞句・副詞句になる」といったこと。
これは前置詞の文法の基本です。
もし実際に英語で会話する機会があったら、私の経験上「どの前置詞を使えばいいのかな」とかナイーブにならなくていい気がします。
会話するときに、使う前置詞がネイティブと多少ずれたとしても、そこまで支障が出ないようです。
もちろん真逆の基本イメージの前置詞を使うと別ですが、、
例えば
「I ‘m for your idea」と「I’m against your idea」は全く真逆の意味になります。
「in」のほうがより正確だけど、間違って「into」を使ってしまった、、
これぐらいは基本イメージが似ているので、会話にそれほど影響は生じないでしょう。
ただし、文法問題で「正しい前置詞を選べ」という問題でしたら、類似した前置詞があっても正解を選ばなければなりません。
わたしは、「前置詞」というものを通して、英語ってイメージが大事なんだなと痛感しました。
「まずは前置詞の基本的なイメージを知ってみたい」という方には、1冊目の参考書をおすすめします。
「いや、おれは前置詞を徹底的に極めたい」という方には、2冊目の参考書をおすすめします。いわば「前置詞の辞書」です。
今回の記事は以上です。
― To the Finest Hour ―
前置詞は、名詞とセットになる。