今回は、英語の品詞の1つである「形容詞」をピックアップいたします。
しばらく品詞の記事が続いており、そしてまだしばらく品詞のネタが続くので退屈かと思いますが、がんばっていきましょう。
というのは、品詞のルールを知らなければ、文法の学習を正しく確実にできませんし、そもそも英語をアウトプットなんかできるようになりません。
リスニングとリーディングといったインプットもできるようになりません。
品詞の理解は、英文法のファーストステップです。
今回の記事で学ぶことは、「そもそも形容詞とはなにか?」、そして形容詞の配置の仕方を解説します。
形容詞の「配置の仕方」で出てくるキーワードは、「限定用法」と「叙述用法」です。
用語自体を覚える必要はありませんが、意味は理解してください。
また同じ形容詞でも、配置場所によって意味が変わってくることについても説明します。
そして最後に苦手な人も多い「分詞」の形容詞についてもやっていきます。
今回の記事で、形容詞の基本的なルールをマスターしましょう!

もくじ
形容詞とは? 英語の品詞の中では、唯一名詞と関わりをもつ
動詞と名詞よりは「文の要素」としての重要度は落ちるものの、それらに次ぐ重要な文の要素です。
なぜなら形容詞は、英文のレイアウト(配置図)のアナに入る「補語」の役割をもつからです。
(「英文のレイアウト」に関しては、以下の記事でご確認ください。)
例えば、「机」「財布」「本」といった名詞だけでは、どんな「机」「財布」「本」なのかわかりませんよね?
そこで「名詞に具体性を持たせる」のが、形容詞になります。
形容詞の配置場所
形容詞は名詞を修飾するので、名詞のそばに配置されます。
名詞の直前か後です。
形容詞が「限定用法」として機能する場合、形容詞は名詞の「直前」または「直後」に配置されます。
第2文型のように形容詞が補語として機能する「叙述用法」では、形容詞は名詞の後(動詞の直後)に配置されます。
形容詞が「限定用法」として働く場合
前回の記事の「限定詞」と同じように、名詞を修飾するとき「数多くあるものの中でも、~なもの」といったイメージが「限定用法」です。
形容詞を名詞の直前に置く「限定用法」
形容詞+名詞
犬は犬でも「カワいい犬」と犬を限定しております。
形容詞+名詞
話は話でも「面白い話」と話を限定しております。
形容詞を名詞の直後に置く「限定用法」
2パターンあります。
形容詞のまとまりが2語以上の場合(形容詞句)
形容詞が1語の場合は、名詞の直前に配置すればいいのですが、2語以上の形容詞「句」になって名詞を修飾する場合、その形容詞「句」は名詞の直後にまとめて配置されます。
例えば
このように、袋は袋でも「リンゴがたくさん入った」袋と、「限定的に」袋を修飾してます。
2語以上の形容詞句として、名詞を修飾しているので、名詞の直後から名詞を修飾してます。
特定の名詞を修飾する場合
特定の名詞とは、「something」「anything」「someone」「anyone」「somebody」などです。
例えば
形容詞が「叙述用法」として働く場合
先のように名詞を「限定的に修飾する」のではなく、名詞を「説明」するのが「叙述用法」です。
この場合、形容詞が「補語(complement)」として働きます。
「叙述用法」が「限定用法」と違うのは、名詞を修飾するのではなく、ただ単に名詞について説明することです。
補語を伴う文型は2つ。
はい、「第2文型」と「第5文型」です。
ではこの2つを使った叙述用法の例文。
以上が「叙述用法」として機能する形容詞の使い方です。
どの形容詞も「限定用法」「叙述用法」で使えるわけではない
限定用法でしか使われない形容詞の例
「only」「main」などです。
とは言えますが
とは言えません。
「only」「main」などは、そもそも限定的な意味を含む形容詞だから、限定用法でしか使われません。
叙述用法でしか使われない形容詞の例
「asleep」「afraid」などです。
とは言えますが
とは言えません。
「asleep」や「afraid」などの形容詞は、そもそも「状態を表す」意味を含んでいるからです。
同じ形容詞でも置く場所で意味が変わるものがある
これの代表例は「certain」です。
このように「certain」は叙述用法だと「確信している」という意味になり、限定用法だと「ある~」というぼかすような意味になります。
他には「present」。
叙述用法だと「出席している」
限定用法だと「現在の」という意味になります。
分詞の形容詞
まず「分詞」についての説明です。
①「分詞」とは、「準動詞」というものの1種
②「意味的には」文と同等のことを述べる
③「文法的には」文と同等ではないもの
「文」とは「SV」を含んだものですが、「準動詞」でつくられた単語のまとまりは「SV」を含まないので、文法上は「文ではない」ということです。
準動詞は、それぞれの動詞がもっている性質(文型)をもとにして、ある程度の長さがある意味を述べることができます。
「準動詞」の内容は、次の記事をご確認ください。
分詞を使った形容詞は、実に間違えやすい分野です。
「感情を表す動詞」をもとにした分詞なんかが、特に間違えやすい。
例えば「surprise(驚く)」「excite(興奮する)」
まず「分詞」は2種類あります。
この2つから考えれば、「ある驚いている人」を英語に変換すると
となりそうですが、答はブーです。
が正解です。
実は英語では、「ある感情をもつ」ということは、「なにか原因があって、ある感情をもたらされた」と捉えられます。
だから「驚いている人」「興奮した人」を、分詞を使って英語に変換すると、元の動詞を「過去分詞」にして形容詞化して名詞を修飾させます。
逆に「人にある感情をもたせる原因となったモノ」を修飾する時には、元の動詞を「現在分詞」に変形させます。
といった感じです。

まとめ
以上形容詞の基本ルールをみてきましたが、いかがでしたか?
解説した内容以外の形容詞の云々の話はもちろんあるのですが、最初から詰め込もうとしても負担がかかるだけなので、まずは基本ルールからやっていきましょう。
では今回のポイントを復習します。
形容詞の使い方は、「限定用法」と「叙述用法」 限定用法は、「名詞を修飾」、叙述用法は、「名詞を説明」。
限定用法のとき、形容詞の配置パターンは2種類。名詞の直前か直後。
直前の場合は、形容詞が「句や節」でもない場合。つまり、形容詞句でも形容詞節でもない場合。
直後の場合は、形容詞が形容詞句や形容詞節である場合と、修飾するターゲットが特定の名詞(somethingなど)の場合。
叙述用法のとき、形容詞の配置パターンは、第2文型であれば「SVC」ということで、動詞の直後。第5文型であれば「SVOC」ということで、目的語の直後。
限定用法と叙述用法で意味が異なるものがある(certain presentなど)。
限定用法でしか使えない形容詞(onlyなど)や、逆に叙述用法でしか使えない形容詞(asleepなど)がある。
もう一度言いますが、「形容詞は名詞のみにかかる」品詞です。
名詞にかかるのは、「形容詞(句・節)」と「限定詞(品詞の1つではありません)」しかありません。
今回の記事は以上です。
― To the Finest Hour ―
形容詞とは、「名詞のみ」にかかる品詞。名詞に具体性をもたせる。