こんにちは!
今回の記事は準動詞の1つ「分詞」について!
「準動詞」の記事は全部で3つあるので、他の2つのリンクを載せます。
「分詞」自体は中学英語から出てきますが、メインは高校英語で、これもまた苦手な人が多い分野なんです。
でもそれはちゃんと教わっていないから。
分詞の文法事項はあまり難しくありません。
当ブログで理解していただけるように顔晴ります。
ちなみに、中学英語で習う「進行形」と「受身表現」は、実は分詞を使った表現なんです。
では今回の記事の流れについて。
①まずは「分詞とはなにか」について。
ここで「動名詞・不定詞」と「分詞」の区別がつけられるかが1つのポイントです。
②次に分詞には2種類あり、先に「現在分詞」について。
③そして「過去分詞」について。
今回の記事の2つ目のポイントは、「過去分詞」と「現在分詞」を使い分けられるかどうか。
ではやっていきます。

もくじ
分詞とは?
「分詞」とは、「動詞」をもとにしてつくられた「準動詞」の仲間です。
これは他の準動詞と同じことですが、ではどう違うのでしょうか?
特徴を挙げていきます。
そして分詞には「2種類」!!
実はですね、、
・「現在分詞」は、中学英語で出てくる「現在進行形」の「ーing」形のこと。
・過去分詞は、中学英語で出てくる「受身表現」の「ーed」形のこと。
なんです。
2つの分詞の使い分け方なんですが、これは高校英語でよく生徒が間違う分野でもあります。(でも難しくありません。ちゃんと教わっていないだけです)
どう使い分けるかというとポイントは、、
修飾される名詞 → 動詞に対して「~している、する」なのか
修飾される名詞 → 動詞に対して「~される」なのか
つまり
修飾される名詞 → 動詞に対して「主語」という「動作主」なのか
修飾される名詞 → 動詞に対して「目的語」という「影響を受ける側」なのか
そして
修飾される名詞 → 「~している、する」「動作主」ならば『現在分詞』
修飾される名詞 → 「~される」「影響を受ける側」ならば『過去分詞』
こう区別します。
実際に例文をみていきます。
この文をもとに現在分詞・過去分詞の例文をつくっていきます。
この場合は「現在分詞」です。
動詞「sing」に対して「The boy」は「主語」「動作主」です。
つまり「The boy」と「sing」は『能動関係』です。
この文では、現在分詞句の「singing a song」が、「The boy」という名詞を後ろから修飾してます。
では次の例文。
この場合は「過去分詞」です。
動詞「sing」に対して「the song」は「目的語」「影響を受ける側」です。
つまり「the song」と「sing」は『受動関係』です。
以上から準動詞のもとになる「動詞」と修飾される「名詞」の関係によって、「現在分詞」か「過去分詞」が決まります。
では、具体的に現在分詞と過去分詞を解説していきます。

現在分詞
形容詞的な用法
限定用法
「girl」「sing」は「能動関係」です。
だから「現在分詞」を使います。
基本的に限定用法は「前から」名詞を修飾ですが、分詞が「句(2語以上のSVがない語のまとまり)」の場合は、「後ろから」名詞を修飾します。
叙述用法
この現在分詞を使った叙述用法は、中学校で習ういわゆる「進行形」のことなんです。
この例文は「過去進行形」を使ってます。
副詞的な用法
動詞を修飾
「smile」と「he」は「能動関係」なので「現在分詞」(~しながら)を使います。
分詞「smiling」が動詞「came」を修飾してます。
文全体を修飾 → 「分詞構文」と呼ばれる
現在分詞を使った「分詞構文」です。
分詞のもともとの「動詞」と修飾する文の「主語」が、「能動関係」ならば「現在分詞」を使って「分詞構文」をつくります。
「I」と「speak」は「能動関係」なので、「現在分詞」を使います。

過去分詞
形容詞的な用法
限定用法
「stolen」は動詞「steal」の過去分詞です。
「bicycle」と「steal」は「受動関係」です。
だから「過去分詞」となります。
「the present」と「give」は「受動関係」なので「過去分詞」を使います。
叙述用法
これらの過去分詞を使った叙述用法は、中学英語で習ういわゆる「受身の文」です。
そうです「受動態」というやつです。
副詞的な用法
動詞を修飾
「he」と「surround」は「受動関係」なので「過去分詞」を使います。
「surrounded by many audiences」が副詞句として、動詞「made」を修飾します。
文全体を修飾 → 「分詞構文」と呼ばれる
「分詞構文」は苦手な高校生も多いですが、大丈夫です。
分詞の元となる「動詞」と「修飾される対象」が「受動関係」なのか「能動関係」なのかをわかればいいだけですから。
つまり分詞のもともとの「動詞」と修飾する文の「主語」が、「受動関係」なのか「能動関係」なのかを判断するだけです。
「his behavior」と「judge」は「受動関係」なので、「過去分詞」にします。
過去分詞句「Judged from common sense」という「副詞句」が、「his behavior is a little rude」という「文全体」を修飾してます。

まとめ
以上準動詞の「分詞」をみてきましたが、いかがでしたか?
現在分詞と過去分詞の使い分け方のポイントを把握できましたか?
「進行形」は現在分詞が使われていて、「受身表現」は過去分詞 が使われた準動詞の1つであるということに、「へぇーーなるほど」と思われた方がいれば嬉しいです。
では今回の記事のまとめに移ります。
分詞句は、形容詞句・副詞句として働く。これは「不定詞」と共通する。
分詞の基本イメージは、「実際の状態や行為」「現実感」。ここが不定詞と決定的に異なる。
分詞は2種類。「現在分詞」と「過去分詞」。
この2つの使い分け方は、「分詞によって修飾されるターゲット」が、「分詞をつくる基の動詞」と、どういう関係かで決まる。
「どういう関係か」とは、「修飾されるターゲット」が「~している・する」といった動詞と『能動関係』なのか、「~される」といった動詞と『受動関係』なのか、ということ。
『能動関係』ならば「現在分詞」を、『受動関係』ならば「過去分詞』を使う。
分詞句が形容詞句であれば、「限定用法」と「叙述用法」がある。現在分詞の叙述用法は「進行形」のことで、過去分詞の叙述用法は「受け身表現」のこと。
高校で習う「分詞構文」とは、副詞句として文全体を修飾するもの。日常会話ではあまり使われない。
「準動詞(3) 分詞」の解説は以上です。
― To the Finest Hour ―
動詞を基にして成り立った分詞句は、名詞句にはなれない。これは「動名詞」と決定的に異なる。