
今回の記事では、英語の品詞の1つである「名詞」をピックアップしていこうと思います。
日本語・英語に関係なく「名詞とはどんなものか?」については、みなさん大体おわかりだと思います。
もしかしたら「名詞」よりも、「固有名詞」という言葉のほうがみなさんに馴染があるかもしれませんね。
日本語と英語では、「名詞」の意味自体は同じなのですが、その使い方は全く異なるのです。
今回の記事では、英語の名詞の捉え方を見ていきます。
日本人には馴染のない捉え方なので、勉強のやりがいがありますよ。
今回学ぶことは、まずは英文中での名詞の「役割」!
そしてそれから英語の「名詞の概念」について。
①「可算名詞」と「不可算名詞」について。
②名詞の「単数形」と「複数形」。
③さらには名詞が「特定されたもの」と「不特定なもの」。
こういった内容をみていきます。
英語の名詞を正しく扱えるのは、英語中級者でもごく少数だというのが私の見解です。
これからリーディングするとき、名詞の使い方を意識しながら精読してみてください。
それでは名詞の解説に入ります。
もくじ
名詞とは
・「人」 → 「私」「彼」「三郎くん」
・「物」 → 「魚」「花」「マグロ」
・「事」 → 「仕事」「読書」「英語を勉強すること」「昨日太郎君が鼻血を出したこと」
英文中での名詞の役割
「主語」「目的語」「補語」として機能するということは、「名詞」は動詞が提供する英文のレイアウト(配置図)を埋めていく文の重要な要素です。
「英文のレイアウト(配置図)」については、以下の記事で内容を確認できます。
英語では名詞をどう捉えるか

日本人に馴染のない捉え方をします。
①それは「数えられる」ものなのか「数えられない」ものなのか。
②それは「単数」なのか「複数」なのか。
③それは「特定のもの」なのか「不特定のもの」なのか。
「数えられる」名詞と「数えられない」名詞
数えられる名詞
例えば「ペン」。
「ペン」は、1本、2本、100本と数えることができます。
「数えられる」名詞は、「可算名詞」と呼ばれ、「countable」の頭文字をとって、「C」と辞書などに表記されてます。
数えられない名詞
例えば「砂」「水」「塩」といった物質的なもから、「幸福」「貧困」といった概念的なものまで。
あとは世の中に1つしかないものもそうです。
例えば「日本」とか「東京スカイツリー」など。
「日本が1つ2つ」って数えられないですよね。1つしかありませんから。
「数えられない」名詞は、「不可算名詞」と呼ばれ、「uncountable」の頭文字をとって、「U」と辞書などに表記されてます。
では次のことを英語で言う場合、「可算名詞」になるか「不可算名詞」になるか、どちらでしょうか?
「私は犬が好きです。」
上の日本文は「犬という動物が好き」と言っているので、具体性があります。
具体性があるということは、1匹2匹と数えることができます。
よって、(1)が正解です。
(2)の不可算ですと、奇妙な意味になります。
この場合不可算だと「素材」を表します。
つまり「犬の肉」という意味になってしまうのです。
普通「私は犬の肉が好きです」なんて言わないですよね。
まぁ、世界という視野でみれば、「I like dog.」と言える人もいるんでしょうけど。
だから逆に、次のことを英語で言うと以下のようになります。
これをもし可算名詞扱いにしたらどうなるか?
「私は昨日(ある1匹の)鶏を食べました。」
こんな意味になってしまいます。
まぁこれも世界という視野で考えれば、「I ate a chicken.」と言える人もいるんでしょうけど。
あとは、人間という生き物が火を使うことを習得してない先史時代では、あり得たことなんでしょうけど。
可算名詞・不可算名詞をみてきましたが、ここで1つ注意点。
同じ名詞でも、「可算名詞」だったり「不可算名詞」だったりします。
では次の違いはどうでしょうか?
以下の意味の違いになります。
(1)は可算なので、「まるまる個体としての」リンゴと捉えられます。
(2)は不可算なので、「個体性がない」リンゴ=「すりおろした」リンゴ、となるのです。
同じ名詞でも可算名詞か不可算名詞で意味が変わるとは、こういうことです。
「単数形」と「複数形」
「可算名詞」の場合、名詞が「単数」なのか「複数」なのか区別しなければいけません。
不可算名詞の場合、「単数」か「複数」かは区別しません。
そもそも「1コ2コ」とか数えられないからです。
単数形
可算名詞でかつ単数形の場合は、名詞の前に必ず「限定詞」をつけなければなりません。
「限定詞」とは、「a」「an」「the」「his」「this」「that」などです。
限定詞の詳細は、下のリンクをご覧ください。
複数形
複数形の場合は、限定詞がある場合とない場合があります。
ただし限定詞は限定詞でも「a」「an」「this」「that」はつきません。
これらは単数形のときだけです。
つくのは「the」「these」「those」だけです。
では、単数形と複数形の違いをみていきます。
(1)は「犬」が「単数形」で表されています。
「a」をつけることで、世の中の数ある犬の中でも「1つの犬」と限定して「ある犬」と表現されます。
(2)は「犬」が「複数形」で表されています。
これは「いろいろな(種類の)犬」と言うことで、「犬(という動物が)が好きだ」と表現できるのです。
名詞の単数形と複数形の違いなんて、我々日本人にはない感覚なので、理解が大変ですよね。
がんばりましょう。
特定か不特定かs
英語では、名詞が「特定」なのか「不特定」なのかを、明確にします。
明確にする場合は、名詞の前に「限定詞」をつけます。
「不特定」の場合は、限定詞をつけません。
まとめ
英語の名詞の捉え方を見てきましたが、いかがでしたか?
「数えられるのか」とか「単数なのか」とか「特定されたものなのか」とか、そういった名詞の区別は日本語にはないので、我々日本人にとっては理解し難く、慣れるまでに時間がかかるだろうと思います。
理屈ではわかっていても、いざそれを英会話でスムーズに使えるかというと、やはり長い訓練が必要です。
では、今回のポイントをまとめていきます。
名詞は、「主語」「目的語」「補語」として働く。つまり動詞が提供する英文のレイアウトを埋めていく文の重要な要素。
名詞が、「数えられるもの」なのか「数えられないもの」なのかを区別する。
名詞が数えられるものならば、それは「1つ」なのか「複数」なのかを区別する。
そもそも名詞が、「特定されたもの」なのか「不特定なもの」なのか区別する。
同じ名詞でも、「可算名詞」のときもあれば「不可算名詞」のときもある。
可算名詞で単数の場合は、必ずその前に「限定詞」をつける。
可算名詞で複数の場合は、限定詞をつける時とつけない時がある。
名詞が特定された場合は、その前に必ず限定詞の「the」をつける。
今回の記事は以上です。
― To the Finest Hour ―
名詞とは、「物」「人」「事」といった「モノ」を表す品詞。