こんにちは、孤独なライターです。
おそらく「限定詞」ときいても、よくわからないという方が多いのではないかと思います。
私は、中学・高校の授業で「限定詞」という言葉を教えられた記憶がありません。
大学を卒業してから、参考書をみて初めて知ったくらいです。
みなさん、どのような限定詞があるかおわかりでしょうか?
馴染のある例でいきますと、「a」「an」とか「the」は限定詞です。
今回特に注目して頂きたいのが、限定詞の1つである「冠詞」の「a/an」と「the」です。
中学1年で出てくる単語ですが、それらの本質的理解がほとんどの英語学習者ができていない盲点なんです。
①限定詞の定義と種類について。
種類は4つありますが、どれもよく目にする単語です。
②限定詞の1つ、「a」「an」について。
「不定冠詞」と言われるものです。
③限定詞の1つ、「the」について。
「定冠詞」と言われるもので、「不定冠詞」と性質が異なります。
④その他の限定詞について。
「○○代名詞」みたいに文法用語が複数出てきますが、内容は難しくありません。
では、本題にいきます。
もくじ
限定詞とは?
「限定詞」は「品詞」ではない
限定詞とは、名詞を限定的に修飾する詞。
名詞の内容を限定することで、名詞についての情報を提示します。
この関連記事で、英語は名詞を「特定」のものか「不特定」のものかを明確にする、というお話をしましたが、限定詞の多くは「名詞を特定するもの」がほとんどです。
(「a」「an」は限定詞の1つである「冠詞」ですが、名詞を特定しません。)
では、具体的に「名詞を限定する」とはどういうことか?
たとえば
「犬」は「犬」でも
・今初めて話題にする犬なのか、すでに話題にしてる犬なのか。(冠詞が限定詞)
・誰の犬なのか。(名詞・代名詞の所有格が限定詞)
・どれくらいの数の犬なのか。(不定代名詞が限定詞)
こういったことを限定詞をつけることで、名詞の内容を限定して特定することができます。
限定詞の種類
限定詞は、4種類あります。
「冠詞」「(代)名詞の所有格」「指示代名詞」「不定代名詞」。
どれも文法用語チックなので目をそむけたくなりますね。
用語自体を覚える必要はありません。
文法用語自体を覚えることは二の次なのでご安心を。
この4つは、内容を理解するだけで問題ありません。
しかし、4つの中で特に勉強が必要なのが「冠詞」です。
日本語にはない品詞で、理解するのに時間が多少かかるからです。
不定冠詞 「a / an」
「可算名詞」の「単数形」とセットになる
「a/an」は「不定冠詞」といい、1つのものだけど具体的に特定してない。
「可算名詞」と「単数形」については、先ほどのリンクを参照ください。
「不定冠詞」は、「1つのものだけど、まだ具体的に特定されていない名詞」の前に来ます。
昔々、あるところにお爺さん(an old man)がいたとさ。
といったことを言うときに、「a/an」が使われます。
「話の中でそれまで話題にしていなかったものを述べるとき」なんか、まさにそうです。
不定冠詞の場合、「a」なのか「an」なのか
基本的には、不定冠詞の次の単語の発音が「母音」か「子音」かで決める。
この定義に例外がありますが、とりあえずこれに従ってれば大きな間違いはしません。
「a」は、直後の単語の発音が「子音」の時に使われます。
「a bike」「a carpet」「a couple of days」など。
「an」は、直後にくる単語の発音が「母音(「a」「i」「u」「e」「o」)」で始まる時に使われます。
「an apple」「an hour」「an extra holiday」など。
定冠詞 「the」
可算名詞にも不可算名詞にもセットになる
「the」は「定冠詞」といい、特定された名詞につく。
定冠詞の本質は、名詞を「特定する時」に名詞にくっつくことです。
ただし固有名詞(人名や地名)にはつきません。
固有名詞はそれ自体で特定されるからです。
では、「特定する」ために「the」が使われるシチュエーションとは?
3つのパターン別にそれをみていきます。
すでに話に出てきたとき
学校で習う「the」は、これ。
学校でならう「the」の意味は、「その~」です。
一回すでに話に出てきたものを、「その~」と言って名詞を特定しています。
「 I saw a man yesterday. The man was very handsome. 」
「昨日ある男の人を見たの。その人すごいカッコいい人だったんだ。」
それまで話題にしていなかった人を、初めて話題にするために、「a man」と切り出し、そして「昨日見た男の人」と特定するために「the man」、と来るわけです。
一回話に出している○○(名詞)だから、どんな○○(名詞)か特定されてるわけです。
常識的にわかるとき
これは、最初からどんな名詞か特定されている場合。
例えば、道で知らない人にいきなり道順を訊かれたときのこと。
「Could you tell me the way to the lavatory ?」
「公衆トイレまでの道を教えて頂けませんか?」
いきなり知らない人と話し、初めて切り出す話題なのに「the」が使われてます。
なぜか??
最初から特定されてるからです。
どういうことか?
話している場所から「一番近いトイレ」と、状況から明らかに特定されています。
特定されたとき
これも先と同じ。
最初からどんな名詞か特定されている場合。
以下の例をみれば、最初から特定されてる名詞だということがわかります。
・「the highest mountain 」→「一番高い山」
・「You are the first person.」→「君が最初の人だ。」
・「Please give me the same thing.」→「同じものをください。」
このように、初めて話題提示をした時点で、すでに特定されたものにも「the」がつきます。
その他の限定詞
(代)名詞の所有格
「~の○○」のように、人・生き物の「所有」を表す。
・「his book」→「彼の本」
・「their cars」→「彼らの車(複数台)」
・「Ken’s pen」→「ケンのペン」
世の中の無数にある「本」「車」「ペン」の中でも、「彼の」「彼らの」「ケンの」というように、名詞を限定しております。
指示代名詞
「これ」「あれら」のように、まわりのものや文中ですでに出てきたものを指し示す。
「this」「these」「that」「those」など。
・「this machine」→「この機械」
・「those cars」→「あれらの車」
「(代)名詞の所有格」と同じく、「this」も「those」も名詞を限定しております。
不定代名詞
不特定の人や物の数・量をさす代名詞。
例えば、「some」や「any」「many」など。
・「Some teachers are strict but some (teachers) are not (strict). 」
「厳しい先生もいれば、厳しくない先生もいる。」
完全にどの先生か特定されたわけではないが、数多くいる世の中の先生の中から、「~な先生もいると」限定しています。
まとめ
「限定詞」をみてきましたが、いかがでしたか?
学校の授業では本質を理解できない「a/an」と「the」の違いは理解できましたか?
限定詞は4種類あるということで、それぞれの用語が文法用語チックなものですが、それらの用語自体を覚える必要はございません。
使い方を知るだけでOKです。
では今回の記事のおさらいです。
「限定詞」とは、簡単にいうと「名詞を修飾する詞」。
限定詞をつけることで、数あるものの中からしぼって(限定して)、名詞に情報を加えます。
限定詞の1つ「不定冠詞」である「a/an」は、「可算名詞の単数形とセット」で使われる。
「数ある中で具体的に1つだけど、まだ特定していないもの」と名詞を修飾します。
限定詞の1つ「定冠詞」である「the」は、「可算名詞にも不可算名詞にも」、そして「単数形にも複数形にも」つく。
「the」の本質は「特定できるもの」、つまり「みんなが共通に認識できる」名詞とセットになるということ。
ただしみんなが共通に認識できるものでも、「東京タワー」や「吉田三郎」といった固有名詞にはつきません。
・所有格「her」「their」「Tom’s」も、名詞を修飾する限定詞。
・指示代名詞「that」「those」なども、限定詞の1つ。
・不定代名詞「some」「many」なども、限定詞の1つ。
今回の記事は以上です。
ー To the Finest Hour ー
数あるものの中から「絞り出す」 それが限定詞の役割。