時表現(3)完了形 ー「ある時点の事」が「ある時点」まで「迫ってくる」ー

今回のテーマは、「時表現」の1つ「完了形」について!

完了形は中学2年で習い始める分野ですが、これがまた英語のなかでも特に理解に苦しむ山場でございます。

学校の授業で本質的なことを教えられない理由でもありますが、「完了形」という時制の感覚は我々日本人にはないものだからです。

過去形と一体なんの違いがあるの?ってなるんですよ。

ですので、この記事で完了形の本質を説明して、みなさんが過去形と完了形のイメージの違いを、理解して頂けたらと思います

今回の記事の流れは、、

①まずは「完了形」の基本イメージについて

②完了形を使ってどういうことを表現できるのか

ここで、過去形と同じ内容を完了形にしたときの例文を載せますので、その2つの違いを意識して記事をお読みください。

ちなみに完了形といっても、「過去完了形」「現在完了形」「未来完了形」だけでなく、「過去完了進行形」「未来完了進行形」もありますが、まずは完了形の本質を知っていただきたいので、一番理解が簡単な「現在完了形」をメインにピックアップしていきます。

ではいきます。

完了形とは?

日本語にはない、英語特有の表現のひとつ、「完了形」です。

中学英語でも「関係詞」と「完了形」は特に大きなヤマ場だと思います。

理由は単純、日本語にはない概念だから理解しずらいのです。

完了形の本質イメージは、、

「過去」「現在」「未来」といった時間軸上の、「ある時点とある時点をつなげる」ということ

例えば、、

過去のある時点と、ある過去の時点をつながっている。(過去完了形)
過去のある時点と、現在のある時点がつながっている(現在完了形)
 
現在のある時点と、未来のある時点がつながっている(未来完了形)

こんな感じです。

ういった表現が、「完了形」を使うことで可能になります。

「基本時制」・「進行形」にはない、完了形の性質です。

とはいっても何のことかわからないと思うので、下の例文と解説を見ながら完了形の本質を理解していきましょう。

完了形のもう1つ重要なポイント!

「ある時点のこと」が「ある時点まで」、「迫ってくる」感覚

例えば、、

過去のある時点で「この部屋を徹底的に掃除しました。」
だから今現在の時点で「(過去に掃除をしたから)部屋がきれいなんだよ。」

と、「過去の事」にも「現在の事」にも言及しているんです

「ある時点のこと」が「ある時点まで」、「迫ってくる」とはこういうこと!

しかし、焦点はあくまで「部屋がきれいなんだ」という「現在」

つまり、、

「ある時点」と「ある時点」では、時間的に後のほうに焦点がくる

先の日本語を英作すると、「現在」完了形になります

では、大事な事。

完了形の公式は、、

主語    +    have/has    +    過去分詞(p.p)

「p.p」とは、「past participle(過去分詞)」の略語です。

次の項目では、完了形でも理解しやすい「現在完了形」をみていって、完了形の本質イメージを理解していただきたいと思います。

現在完了形で言えること

「現在完了形」の本質は、,

「過去のあること」が、「現在」にまで迫ってきて「現在」に何らかの影響を与える

そこから以下の意味が生まれてきます

今までにおける経験

(1)「I  have  been  to  Canada.」
「カナダに行ったことあるよ。」
(2)「I  went  to  Canada」
「カナダに行きました

さぁどうでしょう、、ただの過去形との違いわかりますか???

単なる過去形だと、ただ単に「カナダに行った」という過去の事実を言っているだけ

これに対し例文の現在完了形だと、「カナダに行った」経験が今でも鮮明に感じるという感覚になります。

「今でも」というところが過去形と異なりますね

細かいですがこんな違いがあります。

今までにおける結果

・「Oh,  this  room  is  very  clean.」
「おぉ、この部屋キレイだね。」
「I  have  cleaned  this  room  yesterday.」
昨日この部屋を掃除したんだよね(だから今キレイなんだよね)。」

「昨日掃除した」ということが「現在に迫ってきて」、、

「過去のその結果、今キレイだ」といっているのです。

くどいですが、これが理解に苦しむ「完了形」というヤツです。

今までの継続

これは「過去の時点から現在まで、ある状態の継続」を表すときに頻出します。

「know」とか「live」といった「状態動詞」の過去分詞を使います。

・「I  have  known  him  for  five  years.」
「彼とは5年間知り合いです。」
・「I  have  lived  in  Tokyo  since  last  year.
去年から東京に住んでいます。」

この「継続」を表す「完了形」のとき、期間を表す「for」や「since」がよく使われます

今と間近で起こったこと

・「It  has  stopped  snowing.」
「雪がやんだよ。」

これも同じく、完了形の基本イメージ「迫る来る」感覚があります。

直前の過去の「雪がやんだ」ということが、現在まで迫ってきて「(過去のある時点で)雪がやんで、今現在も雪が降っていない」ということを表現してます。

では以下の文をどう解釈しますか?

・「It  stopped  snowing.」
(ある過去の時点で)雪がやんだ。」

日本語だと2つの意味は何も変わらないですね。

でも英語だと変わってくるのです。

この「過去形」の文だと、ある過去の時点で「雪がやんだ」と言ってるだけで、「今のことには一切ふれていない」のです。

もしある過去の時点で「雪がやんで」、現在「また雪が降っている」状態だと、「現在完了形」は使えないのです。

まとめ

以上「現在完了形」を使って、「完了形」の基本イメージをみてきました。

完了形の基本イメージをつかむことができましたか?

過去形と現在完了形の違いを把握できましたか?

今回のポイントをまとめていきます。

まとめ1

完了形の公式は、「have/has/had + 過去分詞」。

まとめ2

完了形の基本イメージは、過去・現在・未来といった時間軸上の「ある時点とある時点をつなげる」である。そして「ある時点のことがある時点にまで迫ってくる」イメージ。

まとめ3

「現在完了形」の基本イメージは、「過去のあることが現在にまで迫ってきて、現在になんらかの影響をあたえる」ということ。

まとめ4

現在完了形は、「今までにおける経験」について表現できる。「過去に経験したことが、今でも鮮明に感じる」というイメージ。

まとめ5

現在完了形は、「今までにおける結果」について表現できる。「過去にあることをした結果、今は……..だ」というイメージ。

まとめ6

現在完了形は、「今までの継続」について表現できる。この場合「live」といった状態動詞を使った「ある過去から今までの、ある状態の継続」を表す。「5年前からずっと住んでいますよ」といったイメージ。

まとめ7

現在完了形は、「今と間近で起こったこと」について表現できる。「直前の過去である起こったことがあって、今……..だ」というイメージ。⑤の「今までにおける結果」と似たような感覚。

「過去形」は、あくまで過去のある時点のことだけを言っているだけであり、現在のことについてはふれていません

時表現の関連記事のリンクをのせておきます。

今回の記事は以上です。

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こんにちは!孤独なライターと申します。 海外に行けば英語が話せるようになると思っていましたが、ワーキングホリデーを経て、「英語は日本でものにできる」というのが、私の英語学習のモットーです。 英検準1級 TOEIC L&R 880 VERSANT 46 保持しております。